【ロシアW杯アジア最終予選】日本、UAEにホームで敗戦!「GK勝負」で負けた日本。


「ライバルに勝ちたいGK」へ!グローブ

 

★前回ブログは!⇒『【リオ五輪】「中村航輔を起用していれば」本当にナイジェリア戦の結果は「変わった」のか?』(☜)

 

今回のブログは【日本代表のGKコーチが交代!≪その3≫「サプライズ招集」される可能性があるGKは?】(☜)の「続き」となります。

 

「GK勝負」でUAEに負けた日本

2016年9月1日(木) 日本はロシアW杯アジア最終予選の初戦で、UAEにホームで「1-2」逆転負けを喫してしまいました。

※この試合に関する「GK目線」の見解はこちらにも魂込めて書きました。ご覧下さい⇒【【ロシアW杯アジア最終予選】ショック!日本、UAEに1-2逆転負け!GKどうよ?】(☜)

※審判批判やハリルの発言などに対する見解はこちら⇒【UAE戦の審判批判、ハリルの「相手は2ヶ月合宿、日本は2日」「選手がいない」「分母が広がってない」発言はどうなのか?】(☜)

 

日本の1失点目のFKは、過去にFKに関する記事で何度も論じてきた事が出ていたし(下のリンク先)、シュート前の準備や重心読みGKの立ち位置強シュートに負けない強さ…など、ブログやアスリートナレッジなどでも数えきれないほど論じてきた要素が失点に繋がりました。それらは以下のリンク先に事細かに書いてあるので、そちらをご覧下さい。

 

中村俊輔選手にFKを決められた時の浦和GK西川選手の動き。(2015年J1・2nd第9節)】(☜)※プレジャンプシュート前の準備など

フォルランの来日初ゴール(2014年G大阪戦)はGKのミスだった!?】(☜)※プレジャンプシュート前の準備FK時のGKの立ち位置など

なぜ、東口選手は、中村俊輔選手のFKを止められなかったのか?(2015年J1・2nd第3節)】(☜)※FK全般駆け引きなど

林卓人は、優れているからこそ語られない(林卓人GK分析「前編」)】(☜)※プレジャンプ重心ポジショニングなど

日本人GK最大の弱点は○○である(林卓人GK分析「後編」)】(☜)※ハイボール強シュートに負けない強さなど

細かすぎて伝わらない!けどハイレベルな磐田GKカミンスキーのプレーを見習おう!】(☜)※プレジャンプシュートへの足の運び方逆を突かれた時の対応セービング技術など

 

上記のリンク先以外にも、他にもたくさんUAE戦のFKの失点と関係する「重要ポイント」をこのブログ内に書いていますので、興味がある方はご覧下さい。

西川周作選手が「勝利を呼び込む」活躍ができなかったのとは対照的に、UAEのGKハリド・エイサは「勝利を呼び込む」素晴らしいプレーを連発し、文字通り勝利の立役者となりました。僕の中でこの試合のMVPはUAEのGKハリドです。

 

「GK対決」は、UAEに軍配が上がる。

そして、この「GKの差」が、「勝敗に直結」しました。

 

「押していた」チームが敗れる。勝者に「共通していた事」とは?

これはTwitter(☜)やブログ、note(☜)でも何度も論じてきた事ですが、レベルが高い試合になればなるほど「GKのプレー(能力)が勝敗に直結」します。

日本の方が「押していた」が、勝ったのはUAE。

これは今年のユーロ2016でも同じ傾向が出ていて、フランスVSドイツの準決勝は「押していた」ドイツが敗戦。決勝のフランスVSポルトガルも「押していた」フランスが敗れています。

今回のUAE、ユーロ準決勝のフランス、決勝のポルトガル…これらの勝者に共通していたのは「GKがMVP級の素晴らしい活躍をした」事です。ここが極めて「重要なポイント」「これはやられた!」という決定的ピンチをGKが何度となくスーパーセーブで防いでチームを救い、「GKが勝利を呼び込んだ」。つまりGKのプレー(能力)で、負けてもおかしくない試合を「勝利に変えた」のです。これはW杯本大会やCLでも同じ傾向が出ています。

世界(W杯本大会レベル)を相手にこういう「GK勝負」の展開になった時、日本はかなり厳しい。今回のUAE戦では「アジアでも厳しい」事が露呈しました。

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僕は昨年から一貫して「W杯本大会レベルの相手に何とか渡り合える可能性がある日本人GKは『全盛期の』川島永嗣選手しかいない」(☜)と論じています。これを論じて以降、浦和レッズのサポーターを名乗る人たちから大量の誹謗中傷を浴びせられ続けているのですが…。

ここで言う「全盛期」とは「過去」という意味ではなく、川島選手の「全盛期」が過去なのか現在なのかあるいは将来にくるのかは分かりませんが、何にしても「最も良い状態の時の川島選手」しか、今現地点では(あくまでも今現時点では)W杯本大会レベルの相手に何とか渡り合える可能性がある日本人GKはいない…という意味です。

 

浅野拓磨選手の「幻のゴール」。誤審よりも重要なポイントは…

話題になっている浅野拓磨選手の「幻のゴール」ですが、GK目線で見た時、僕は誤審よりも、あの状況であのシュートを「止めた」UAEのGKハリドの「能力の高さ」に驚きました。果たして、あのシュートを止めれる日本人GKはいるでしょうか?(僕はああいったシュートを止めれる可能性がある日本人GKも、今現時点では「全盛期の」川島選手しかいないと考えています(☜)

日本人から見ると「UAEのGKより西川の方が絶対、上手い」と思ったかもしれませんが、こういう絶対に負けられない「戦い」においては「上手い」どうこうより、決定的シュートを「止めれる」かどうか?の方が重要。「そこ」が勝敗を分けるのです

また、日本人が考えるGKの「上手い」と、世界における「上手い」の定義も異なります(☜)僕はUAEのGKハリドが日本人GKと比べて、技術的に劣っているとは決して思いませんでした。

例えば彼は身長が低かったですが、何度となく訪れたハイボール処理で、しっかりとキャッチ、もしくはパンチングでPA外に弾き出す事ができていました(ただ完璧ではなくミスもありましたが。それでもあの身長であれだけできていたのは立派)。技術だけではなく「判断」(☜)も良かったし、また身長の低さを補うほどの「跳躍力」と「反応の速さ」もありました(ただアジアでは身長の低さを補えても、W杯本大会レベルでは厳しいと感じましたが)。あれだけ押し込まれても慌てない「冷静さ」もありましたね。時間帯によってキックの種類を使い分ける(終了間際にパントで凄く高いボールを蹴って時間を使うなど)という「狡猾」なプレーもしていました。

前述した「勝利を呼び込む」決定的なスーパーセーブに加え、こうした細かな点を比較しても、やはり今回の試合は、「日本は『GK勝負』でUAEに負けた。そして、その『差』が『勝敗を分けた』」と言わざるを得ません。

 

日本人GKに「足りないもの」とは?

攻撃面において日本のFPはよく「綺麗な形の得点にこだわり過ぎる」と言われますが、これはGKにも同じ事が言えます

日本人GKは自分の中の「綺麗な形」に収まり切らない、その範囲外や想定外のシュートやボールがきた時、あまりにも、モロい。

自分の中の「綺麗な形」に収まり切らない、その範囲外や想定外のシュートやボールが突然きても、無意識の内に体が動いて、不恰好でも、顔でも股間でも体のどこでも良いから当てて「これは入った」というシュートを野性的な反応で「止める」事ができるか?例えば浅野選手の「幻のゴール」を止めた時のUAE・GKハリドが見せたような野性的な反応。決して「綺麗な形」のセービングではなかったですが、あそこで瞬時に体が動いて手が出て「止める」事ができるか?

「ここ」が日本人GKに「足りないもの」の1つです

しかしこれは「技術論」云々だけでは、改善できない。にも関わらず、日本では「技術論」だけでしかGKが語られていない。しかも、その「技術論」も世界と比べてズレている事が多い(☜)

例えば中南米のGKなどは、「ここ」がめっぽう強い。それは日常生活から治安も悪く、貧困とも戦い、小さな頃から正に命懸けで生き抜く中で、そういう「野性的な部分(野性的な反応や直観力、危機察知能力など)」は極限まで高められているし、また、そういった部分を高めるトレーニングもしているし、試合もいろんな意味で命懸けなので、GKに必要な「野性的な部分」が体に染み込んでいるから。こういった部分は、なかなか平和で豊かな日本で身に付けるのは難しい。けど、「ここ」がGKにとって「『ここぞ』で勝敗を分ける重要な要素」なのです。

僕もホンジュラスで経験がありますが、「世界最悪の治安」と言われるホンジュラスでは、毎日の練習に行く道…「どっちの道から行くか」の選択を間違えるだけで「死ぬ」危険が常にある訳です。だから自ずと自分の中の「野性的な直観力や危機察知能力」が極限まで高められました。それは平和で豊かな日本では味わった事がない感覚でした。実際、日本に帰国すると、そういった「研ぎ澄まされた感覚」が衰えていくのを感じました。これは、どうしようもない事なのかもしれません(UAEは中南米のように治安も悪くないし貧困でもないですが、中南米とはまた違った「野性的な部分」を生み出す何かがあるのでしょう。ただ、UAEの「野性的な部分」がW杯本大会レベルでも通用するレベルとは言い切れませんが)。

もちろん、そういう「野性的な部分」の前に、きちんとした正確な「技術」と、その技術をどんな状況でも発揮できる「身体能力」と「メンタル」がベースとして必要なのは、言うまでもありません。そして、その「ベース」の部分も、日本人GKは「弱い」

現時点の日本人GKのレベルでは「勝てるか勝てないかギリギリの試合」あるいは「防戦一方で相手に枠内シュートを打たれまくる、決定的なパスやクロスを入れられまくる試合」を、GKの力で「勝利に変える」のは、極めて難しいW杯本大会レベルの試合で「GK勝負」の展開になると、日本は「負ける」確率がかなり高くなってしまいます

「今の日本人GKのレベルのまま」で世界に勝つには、チームとして守備を徹底してシュートを極力、打たせない展開にもっていくか、GKのミスや能力不足で失点する以上に多く得点して勝つか…など、「『GK勝負』の展開に持ち込まない」しかないと思います。けど、それも世界相手には、現実的には難しい。これも以前からずっと論じてきた事です。

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ベースの部分の「差」は、なぜ生まれたのか

上にこう書きました⇒「『野性的な部分』の前に、きちんとした正確な『技術』と、その技術をどんな状況でも発揮できる『身体能力』と『メンタル』がベースとして必要なのは、言うまでもありません。そして、その『ベース』の部分も、日本人GKは『弱い』」。

では、なぜその「ベース」の部分の「差」が生まれているのか?

今回のUAE戦では「アジアにおいても日本人GKは劣勢である」事が現実として露呈しました。何度も言うようですが、日本は「GK勝負」でUAEに「負けた」のです。そして、それが敗北に繋がった

 

日本人GKは、決して「アジアNo.1ではない」

 

しかもUAEは試合前「正GKが負傷離脱」という情報があったので、あれだけ活躍したGKハリドですら実は普段は代表の「サブGK」の可能性もあるという…。僕はGKのレベルに関しては、日本は「中韓と比べても劣勢」だと以前からずっと論じています。

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その「差」が生まれた要因の1つとして、僕は「GK育成法」があると考えます(他にも要因はありますが、その内の1つです)。

それは「次回ブログ」(下)にて論じていきます。

日本のGK指導はアジアでも2、3歩、遅れている≫に続く。

 

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※「身長」に関してはこちらもご参照下さい!⇒【背が低いGKがやるべき事は、本当に「牛乳を飲む」事なのか?身長など先天的な問題を抱えるGKが「やるべき事」】(☜)

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①≪GKの【判断力】を身に付ける方法

②≪「海外挑戦すべきか、しないべきか?」 正しい【決断】を下せる「3つ」の方法〈前編〉

③≪【言う事を聞かないGKを、一発で黙らせる】方法

④≪「海外挑戦すべきか?」正しい【決断】を下せる「3つ」の方法〈後編〉 お金、治安、語学…目標はあるけど【決断】できない人へ

⑤≪「ハイボールが苦手」なGKが「ハイボールが武器」になる練習法

⑥≪背が低いGKがやるべき事は本当に「牛乳を飲む」事なのか?身長など先天的な問題を抱えるGKが「やるべき事」

⑦≪海外挑戦するなら言葉は勉強してはならない。外国語を覚える6つのコツ

⑧≪「キックが上手い」GKより「キックが下手」なGKの方が良かったワケ

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