我らがホンジュラスが、11月10日と15日に、ロシアW杯予選大陸間プレーオフで、オーストラリアと対戦する事となりました(時差17時間で、移動だけで丸2日間かかるのに、中4日で試合は両国にとってキツ過ぎでしょFIFA…。ちなみに前回、ブラジルW杯のプレーオフ、メキシコVSニュージーランドは10日、17日の開催で、中6日あったのに…。何で今回はこの日程?)。
そのオーストラリア戦に臨むホンジュラス代表メンバーも、先日、発表されました。
個人的に考える、ホンジュラスの不安要素は…
(下に続く)
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— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2015年10月15日
★前回記事は⇒『【GK論】中村航輔のゴールキーパーとしての特性を探る -中村航輔は川島永嗣を越えられるか?-』(☜)
「GK」
そう。ホンジュラスの不安要素は、「GK」。
オーストラリアとのホーム&アウェーのプレーオフ2試合には、ほぼ間違いなくGKドニス・エスコベルが出場しますが、正直、「不安」しかないですね。
僕がホンジュラスリーグでGKコーチをしていた2013年(☜)。ドニスはキャリアのピークを迎え、GKとしての能力的にはすでに代表不動の守護神ノエル・バヤダレス(南アフリカW杯☜とブラジルW杯☜のW杯2大会で正GK。キャプテンも務めた)を越えていました。実際、ドニスとノエルは所属先が同じオリンピアでしたが、2人は交互に起用され、重要な試合ではドニスがゴールを守る事も多かったし、むしろドニスの方が結果を出しているくらいでした。
ただし「代表」となると「経験」が非常に重要であり、クラブではすでにノエルを越えるパフォーマンスを見せていたドニスでしたが、ノエル不在時などに代表で出番を得るも、代表経験の不足からプレーは今一で、代表ではノエルの方が良いプレーをしていました。ノエルは2002年・日韓W杯予選(☜)の頃からずっと長年、ホンジュラス代表の正GKを務め続けており、こと代表でのプレーにおいては、ノエルに一日「以上」の長がありました。
※2010年・南アフリカW杯。チリ戦でノエルが見せたこの「奇跡的なスーパーセーブ」は、南アW杯のベストセーブの呼び声も高い。ノエルは身長が低いながらも、身長の低いGKが「手本にすべきプレー」でホンジュラスのゴールを長年に渡り守り続けました⇒≪背が低いGKがやるべき事は、本当に「牛乳を飲む」事なのか?身長など先天的な問題を抱えるGKが「やるべき事」≫(☜)
今回のロシアW杯予選も、当然ながらノエルが先発から入っています。しかし、4次予選でカナダにアウェーで0-1、メキシコにホームで0-2と開幕2連敗を喫した後、ノエルは突如「代表引退」を表明(その後、所属クラブでも「現役引退」を表明。現在40歳ながらも、実力的には、まだまだやれたのだが…。怪我などの影響もあったよう)。
ノエルの引退で、これまでノエルの陰に隠れて長年ずっと代表では「サブGK」だったドニスが、ついに「正GK」として日の目を見る事となりました。
ところが…。
36歳となったドニスは、すでに「ピーク」を過ぎていた。
GKの世界では36歳くらいは、まだまだ脂が乗った良い時期ですが、今のドニスのプレーを見ていると、2013年に「ピーク」を迎えた頃と比べ、全てにおいて見劣りしますね。
ピークの時には不動の守護神ノエルが健在で代表正GKにはなれず、長年、待ち続けてやっとノエルが引退して代表正GK奪取のチャンスがきた時には、すでにピークは過ぎていた…。ドニスにとっては皮肉なものですね。
ノエルの後を継いで、ドニスは今予選で多くの試合でゴールを守りましたが、アウェーで0-6大敗を喫したアメリカ戦でも、6失点中、実に5失点はドニスのミス、もしくは「実力不足」に起因した失点でした。
シュートセーブ率が異様なほど低く、とにかく、「枠にシュートが飛べば、ほぼ入る」状態。
よって、残念ながら、オーストタリアとのプレーオフでも、ドニスのシュートストップには期待できない。それどころか、ドニスのミスや実力不足からの失点は想定しないといけないし、ホンジュラスがロシアW杯出場の切符を掴むには「それ以上に得点して勝つ」か「ドニスがシュートを受けなくても良いくらい、チームとして守備を徹底する、あるいは攻撃で攻め続ける」しか、ない。
予選最終節で劇的にプレーオフ進出を決めたメキシコ戦と、その1つ前の試合コスタリカ戦にもドニスは出場しましたが、失点はGKだけの責任ではないとは言え、やはり「枠にシュートが飛べば、ほぼ入る」状態で2試合3失点。そもそも、この2試合は、本来は昨年のリオ五輪で正に「スーパー」な活躍を見せてホンジュラスを史上初の「五輪ベスト4」に導いたGKルイス・ロペスが先発してゴールを守るはずだったんです。ところが…。
※昨年のリオ五輪、韓国戦のGKロペスの、実に「6本」にも及ぶスーパーセーブ。その内、2本は「入らないのがおかしい」レベルの至近距離からの決定的シュートであり、ロペスの能力の高さを象徴するセーブです。まだ24歳ですが、僕がホンジュラスリーグのパリーヤス・オネでGKコーチを務めていた際に対戦した時に、僅か「18歳」でデビューを果たす(☜)と、そのまま優勝して18歳で優勝GKとなるなど、若くして実力を発揮して結果も出している、現在「ホンジュラスNo.1GK」です。
ロペスは上記のコスタリカ戦とメキシコ戦の前の2試合…アウェーのトリニダード・トバゴ戦とホームのアメリカ戦で、今予選初の先発出場を果たし、あの強豪アメリカでさえも敗れて予選敗退が決まったアウェーのトリニダード・トバゴ戦で、好守を見せて3-1勝利に貢献、続くアメリカ戦でも1-1引き分けに貢献と、2試合2失点という数字以上に、チームに「安定感」をもたらす大きな要因となっていました。
ところが…。
そんなGKロペスが、負傷離脱してしまう。この怪我により、上記のコスタリカ戦とメキシコ戦に、ドニスが出場する事となった…という訳です。最近、ロペスは手術を受け、ピント監督もギリギリまで待ったようですが、間に合わず、今回の「運命の二戦」オーストラリアとの大陸間プレーオフ2試合のメンバーから、残念ながら外れてしまいました…。
ピント監督も、もう「正GKはロペスでいこう」と考えていたはずなんです(ピント監督自身は、そこについてはあえて語っていないが、そういう「流れ」は確かにあった)。
正直、GKロペスがいないのは、メチャクチャ痛い…。
…以上のような経緯があり、オーストラリアとの大陸間プレーオフ2試合には「GKドニス先発」が、ほぼ確定的で、不安は大きいですが、ここまできたら愛するホンジュラス(☜)を「信じる」しかない。
今回のホンジュラス代表は、僕がU-20ホンジュラス代表でGKコーチを務めていた時(☜)に選手でチームメイトだったアルベルト・エリスがエースとして大活躍しており(エリスは昨年のリオ五輪でも大活躍し、日本でもサッカー好きな人の中では名前が知れる存在になった)何としてもロシアW杯に出場して欲しいですね。
※エリスと。U-20ホンジュラス代表のコスタリカ遠征(☜)にて。僕がU-20ホンジュラス代表を去る事になった際(☜)、心配して一番最初に連絡をくれたのも、このエリス。選手としての能力の高さはもちろん、人間的にも素晴らしいです。「ホンジュラスの英雄」ダビド・スアソ(☜)を越える選手になって欲しい。
ホンジュラスはこのエリスと、長年、英プレミアリーグでレギュラーとして活躍し、ホンジュラスの守備の要でキャプテンのマイノル・フィゲロアが、共にホームの第1戦に出場停止で出られない…。この2選手は、日本代表で言うところの吉田麻也選手と大迫勇也選手のような存在で、欠かす事ができない選手であり、代えが利かない選手。僕は「ホームでの第1戦で8割方、ロシアW杯出場の行方が決まる」と考えており、その「第1戦」にエリスとフィゲロアが出られないのは、あまりにも痛過ぎます…(下のツイートに詳しく)。
続き)オーストラリアとのPO。ホームの初戦で8割方、決まる…ってくらい重要。シドニーでは勝てないと思った方が良い「世界一、危険な都市」サンペドロスーラで少なくとも3点差以上で勝たないと厳しい。そのホームの初戦にエリス、フィゲロアと好守の最も重要な2選手が出場停止。どう乗り越えるか
— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2017年10月28日
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しかも、柴崎選手ともテネリフェ時代にチームメイトだった現バルサBのアントニー・ロサノが不在だったコスタリカ戦、メキシコ戦で、代わりに出場して2ゴールを決めて、「奇跡のプレーオフ進出」の立役者となったエディ・エルナンデスも負傷離脱し、オーストラリアとのプレーオフのメンバーから外れてしまう…。これも、痛い…。
元テネリフェで柴崎選手とチームメイトだったロサノはW杯予選の最後の最も重要な2試合に招集も来ず、その間にあった所属先バルサBの試合には出場し物議醸す。そのロサノいない緊急事態のこの2試合でコスタリカ戦、メキシコ戦ともにゴール決めPO進出に導いたエルナンデスが怪我でPO出場絶望的に https://t.co/DoZOH9tdEy
— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2017年10月22日
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また、「第2戦がオーストリアのホームで終わる」というのも、心配。下のツイートで詳しく書きましたが、僕も実際に経験したけど、こういうホーム&アウェーのプレーオフのような戦いは「第2戦をホームで終われるチームの方が有利」ですからね。
ホンジュラスVSオーストラリアのPO。最も気になるのが「第2戦がオーストラリアのホーム」な事。自身もプロでPOや決勝でホーム&アウェー決着を経験してきたが、第2戦をホームで終えれる方が実は有利。理由はこちらのリアルな実体験で⇒ https://t.co/JgaLbntpLy
— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2017年10月13日
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ホンジュラスLもPOで優勝決めるが、ほぼ「第2戦がホームのチーム」が勝つ。第1戦で例え勝っても1点差とかではアウェーの第2戦のアドバンテージにはほとんどならない。今年のACLの浦和見てもそう。ホンジュラスがロシアW杯に行くにはホームの第1戦で最低でも「3点差以上で勝利」が欲しい。 https://t.co/qI0ONwA9Ry
— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2017年10月13日
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さらに、直近の情報では、オーストラリアとの大陸間プレーオフ2試合に先発が濃厚のGKドニスも負傷を抱えており、ピント監督は緊急でケビン・エルナンデス(北京五輪の正GK☜)を追加招集しました。が…。彼は全く良いGKではなく、ホンジュラス国内でもメディアや国民の間で「何でケビンなんか呼ぶんだ!?もし、こんなGKが試合に出るような事があれば、オーストラリアに勝ち目はない」と、大きな批判が吹き荒れています。
僕自身も、このケビンはホンジュラスリーグでGKコーチをしていた時(☜)に何度も対戦したので、正直「能力的に厳しい」のは分かっているのですが、ピント監督が彼を招集した理由も、分からなくはない。ケビンの他にも、リオ五輪で不動の守護神ロペスのサブGKだったハラルド・フォンセカなど、有望な若手GKや、なかなか良いベテランGKはいますが、「A代表歴」が皆無か、ほぼないGKばかり。そんな中、ケビンはA代表での試合出場経験こそないに等しいものの(確か、あるにはあったはずだが)一応、何度もA代表に招集された経験はあるので、このような超重要なW杯予選のプレーオフのような試合では、ピント監督は「経験」を重視して、ケビンを招集したのだと推測します。ただ、まあ、僕もケビンには不安ですね。正GKのドニスにも不安だし…。厳しいところです。
とにかく不安要素は多いですが、上記したように、ここまできたら、もう、ホンジュラスを「信じるしか、ない」。
下の【投票結果】を見ても、日本では「オーストラリアが勝つ」と思っている人の方が多いようですが、ロスタイムに2度、終了3分前に1度…計3試合で「終了間際の失点」して勝ち試合が3度も引き分けに終わる悲劇…「ドーハの悲劇」のような絶望的な試合を、今回の1回の最終予選の中だけで実に3度も経験しながら、それでも諦めずに魂で這い上がって、あの強豪アメリカを敗退に追いやり、正に「奇跡」的にプレーオフ進出まで辿り着いたホンジュラス。
ホンジュラスはいつも「もうダメだ」という絶望的な状況に追い込まれてから、無類の強さを発揮してきたし、ホンジュラスなら必ずオーストラリアを破ってロシアW杯に出場できると、信じています。
【投票!】ホンジュラスVSオーストラリア、ロシアW杯出場を懸けた世紀の一戦!このPOを制しロシアW杯に出場するのはどっち?僕がホンジュラス側の人間とか関係なく、ガチ予想でお願いします!Quien gana?Who wins?哪一个赢?#ロシアW杯予選大陸間プレーオフ
— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2017年10月13日
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皆さんもホンジュラスの応援、よろしくお願いします!
※僕が魂込めてホンジュラス国歌を歌っている動画です。ホンジュラス国歌は、U-20ホンジュラス代表GKコーチ時代、試合前にどうしても歌いたかったので、コーチングスタッフや選手たちに歌詞を教えてもらって、必死に練習して覚えたんです。愛するホンジュラスのために!
※「note」でも「ブログでは決して書けない」より突っ込んだ「激辛GK情報」を配信中です!noteはこちら!⇒ https://note.mu/yoji_yamano
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— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2015年10月15日
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— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2015年7月21日
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— 山野陽嗣╱Yoji Yamano (@yoji_yamano) 2016年1月29日
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②≪「海外挑戦すべきか、しないべきか?」 正しい【決断】を下せる「3つ」の方法〈前編〉≫
④≪「海外挑戦すべきか?」正しい【決断】を下せる「3つ」の方法〈後編〉 お金、治安、語学…目標はあるけど【決断】できない人へ≫
⑤≪「ハイボールが苦手」なGKが「ハイボールが武器」になる練習法≫
⑥≪背が低いGKがやるべき事は本当に「牛乳を飲む」事なのか?身長など先天的な問題を抱えるGKが「やるべき事」≫
⑦≪海外挑戦するなら言葉は勉強してはならない。外国語を覚える6つのコツ≫
⑧≪「キックが上手い」GKより「キックが下手」なGKの方が良かったワケ≫
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⑩≪GKのコーチングは、何を、どう、伝えれば良いのか?GKのコーチングを、味方によく聞いてもらえる「コツ」とは?≫
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