【GK論】日本代表のGKコーチが交代!≪その2≫中村航輔選手は呼ばれるか?東口順昭選手のスタメン起用はあるか?他のGKにもチャンスはくるか?


「ライバルに勝ちたい」GKへ!グローブ

 

★前回ブログは⇒『【GK論】日本代表のGKコーチが交代!≪その1≫日本のGKに与える「影響」とは?』(☜クリック!)

 

日本代表のGKコーチが、リカルド・ロペスから、ハリルホジッチ監督の要請で、同郷のエンヴェル・ルグシッチへと交代した出来事に対する見解の≪その2≫です。≪その1≫(☜クリック!)とは、また異なる視点からの見解を述べていきたいと思います。

 

代表GKコーチに「できる事」には、限界がある

皆さん、代表監督に対して「日本サッカーを変えてくれる」「日本サッカーのレベルを押し上げてくれる」といった「マジック」を期待します(トルシエ監督時代や岡田武史監督時代のように「W杯で結果を出す⇒選手が高評価され欧州移籍⇒それによって日本サッカーのレベルも上がる」という事はあります)。

だから今回の「GKコーチ交代」に対しても「新GKコーチのルグシッチが、日本の弱点と言われるGKを変えてくれる。日本のGKのレベルを押し上げてくれる」と「マジック」を期待します。

しかし≪その1≫(☜クリック!)でも書いたように、代表はとにかく「時間がない」。毎日、一緒に練習できるクラブチームなら2ヶ月で落とし込める事も、代表だと半年~長ければ1年以上かかってしまいます

数ヶ月に1回の練習(合宿)しかできな代表で、急に「日本のGKを変える」「日本のGKのレベルを押し上げる」といった「マジック」は正直、期待できません。例えどんなに優秀なGKコーチが来たとしても、難しい。

もちろん、代表で優秀なGKコーチの指導を受ければ成長できるし、「変わる」「レベルアップ」する事もできますが、「急に」変わる、「急に」レベルアップする…といった「マジック」は期待できない…という事です。代表は時間がかかるのです。

つまり、GKの成長は「8割~9割」がクラブチームでなされなければならないという事。残りの僅か「1割~2割」の「足りない部分」を成長させるのが、代表なのです。

よって、「日本のGKを変える」「日本のGKのレベルを押し上げる」のは、「8割~9割」はクラブチームにかかっている「それ自体」を代表に求めるのは難しいそんな「マジック」は、ほぼ「存在しない」と思っておいた方が良いです。

また、代表GKコーチが一度に指導できるGKは、代表に招集されるせいぜい3人前後。代表GKコーチが「日本全体の」GKを指導できる訳ではありません。だから、代表GKコーチが「日本全体のGKを変えてくれる」「日本全体のGKのレベルを押し上げてくれる」というのは、不可能に近い

以上を見ても分かるように、

 

代表GKコーチに「できる事」には、限界がある。

 

その事だけはファンもしっかり認識しておく必要があると思います。

ただ、ハリルホジッチ監督もそれを分かっているので、「GKだけの合宿」を検討している(☜クリック!)模様。こういった試みが日本のGKにどういう影響を与えていくか…?今後も非常に注目しています。

 

他のGKにもチャンスはくるのか?

前回ブログで、『今回の「GKコーチ交代」に対して、日本代表GKの西川周作選手や川島永嗣選手は、少なからず「不安」を感じているのではないでしょうか?※ここで「あえて」東口順昭選手の名前を挙げなかったのには「理由」があります。それは≪その2≫に詳しく書きます』(☜クリック!)と書きましたが、その「理由」を今回、述べたいと思います。

「理由」は、なぜなら、これまでなかなか代表で出番がなかった東口選手にとっては、「GKコーチ交代」は、むしろ「チャンス」だから…です。

「不安」も当然あるでしょうが、それ以上に東口選手は「チャンスだ」と感じているのではないでしょうか?※あくまで推測です。

前GKコーチのリカルドが「悪い」と評価してきたプレーを、新GKコーチのルグシッチは「良い」と真逆の評価をする…という状況も起こり得ます(☜クリック!)。

GKコーチによって、GKの「評価基準」が「違う」のです。

となると、前GKコーチ・リカルドのもとでは「あまり評価されなかった」東口選手が、新GKコーチ・ルグシッチのもとでは「高評価される」という事も、充分にあり得る。

しかも、元々、ハリルホジッチ監督とは「無関係だった人物」である前GKコーチのリカルドより、元々、ハリルホジッチ監督と「関係ある同郷の気心知れた信頼がおける人物」である新GKコーチのルグシッチの方が、よりハリルホジッチ監督に「意見できる」でしょうし、自らの意見を「採用してもらえる」可能性は、高い。

つまり、新GKコーチのルグシッチの方が、「最終決定を下す」監督であるハリルホジッチに対して「より影響力を発揮できる」と推測します(あくまで推測)。どういう事かと言うと、例えばルグシッチが「東口がスタメンが良い」と言えば、ハリルホジッチ監督も「では東口をスタメン起用しよう」となる可能性が高まるのではないか?…という事です。

まだ新GKコーチのルグシッチがどのような人物で、どのようなGKコーチなのか分からないので何とも言えない部分はあるのですが、「これまで代表でなかなか出番がなかったGK」や「これまで全く代表に招集されていないGK」に、「チャンスがくる」可能性は、今後あるかもしれません

ただ、「今すぐ」は、難しい。

なぜなら、ロシアW杯アジア最終予選は、もう目の前…9月1日から始まります。もう1ヶ月ちょっとしか時間がない。

この重要な最終予選の初戦・UAE戦で「ほとんど代表キャップがない」東口選手を「いきなりスタメン起用」というのは、例えどれだけ東口選手が優秀なGKで、新GKコーチ・ルグシッチが仮に高評価したとしても、まず、現実的に、「ありえない」。

だから当面は、「経験」と「実績」が豊富な西川選手と川島選手の2人を中心に、正GK争いは展開されていくと予想します。

「これまで全く代表に招集されていないGK」についても同じです。仮に新GKコーチ・ルグシッチがどれだけ高評価したとしても、9月1日の最終予選の初戦・UAE戦に「いきなりサプライズ招集」というのは、考えにくい。当面は、「西川選手、川島選手、東口選手」…この3人でいくのではないかと思います。

「これまで代表でなかなか出番がなかったGK」や「これまで全く代表に招集されていないGK」にチャンスを与えるとしたら、「最終予選の試合間隔が空く時期に行われる親善試合」などでしょう。「今すぐ」は、ちょっと難しい

 

中村航輔選手の招集はあるか?

柏レイソルGK中村航輔選手に関しては、現時点ではリオ五輪でサブGKになる可能性が高い(☜クリック!)のですが、「中村航輔を、ぜひA代表へ!」というファンの声が大きいので、今回、あえて取り上げました。

まず1つ言えるのは、巷でよく言われる「将来のために若いGKを今の内にA代表に呼んで経験を積ませて育成した方が良い」は、ハリルホジッチ監督は「しない」だろう…という事。

A代表の目的は「勝つ」事です(☜クリック!)。「育成」が主たる目的の世代別代表とは、「そこ」が決定的に違います

だからGKに限らず、ハリルホジッチ監督が仮に「まだ実力が足りない」と思っている選手がいたとして、その選手を「育成のため」にA代表に招集する…というのは、考えにくい。

よって中村航輔選手がA代表に招集されるとすれば、「育成のため」などではなく、「今現時点でA代表で世界と戦う力がある」とハリルホジッチ監督が評価した場合のみだと思います。

ただ、その場合も、ハードルは、高い。中村航輔選手を招集するという事は、「西川選手、川島選手、東口選手」この3人の内、いずれか1人を「外す」という事です。

つまり、中村航輔選手が「A代表に呼ばれる」ためには、「西川選手、川島選手、東口選手」この3人を「今現時点の実力」で「上回らなければならない」という事です。それしか「A代表に呼ばれる」可能性は「ない」と見ます。

僕は「実力」「経験」「実績」の観点から見て、今現時点(あくまでも今現時点)の日本のGKの「3強」はこの「西川選手、川島選手、東口選手」の3人であり、ハリルホジッチ監督がこの3人を中心に招集し続けているのも「極めて妥当性がある」と考えているので、この3人を押し退けて「招集」を勝ち取るのは、中村航輔選手に限らず、日本のどのGKでも「容易ではない」と考えます。

 

世界と戦う上で必要不可欠な、極めて重要な要素とは?

中村航輔選手がハリルホジッチ監督率いるA代表に招集される上で、1つ「大きなハンデ」になると見られる要素があります。

それが、

 

「身長」です。

 

世界と戦う上で必要不可欠な、極めて重要な要素である「身長」

現代の世界のプロサッカー界においては、「最低」185cm以上の身長が必要とされています(☜クリック!)。「185cm」はあくまでも「最低限」必要な身長であり、今年のユーロ2016を見ても分かるように、世界ではすでに188cm~190cm越えのGKが普通です。

その点、中村航輔選手は、身長が「184cm」しか、ない。

しかも、ハリルホジッチ監督が「3強」の西川選手、川島選手、東口選手以外に招集してきたGKを見ても分かるように、権田修一選手「187cm」、六反勇治選手「187cm」、林彰洋「195cm」と、ハリルホジッチ監督は本来「長身GKを求めている」のが伺い知れます。権田選手はハリルホジッチ監督就任1試合目でスタメン起用されている(☜クリック!)のを見ても、当初の序列は西川選手や東口選手よりも高かったと思われます(逆に西川選手と東口選手は東アジア杯まで全く起用されなかった☜クリック!)。

西川選手も183cmしかないですが、今現時点の日本のGKの中で「実力」「経験」「実績」の観点から見ても西川選手は抜けているため、ハリルホジッチ監督としても西川選手は絶対に外せない。

東口選手も184cmしかないですが、Jリーグで見せてきた「実力」「経験」「実績」は抜けており、代表では出場が少ないとは言え過去にコンスタントに呼ばれている事からも、東口選手は外しにくい。

けど、本当は、ハリルホジッチ監督は「長身GKを求めている」のは、伝わってきます(六反選手と林彰洋選手は代表での「経験」と「実績」がなかったので、さすがのハリルホジッチ監督も試合で起用するには至りませんでしたが)。

「実力」「経験」「実績」が抜けている「3強」の西川選手、川島選手、東口選手の3人以外を招集する時には、常に「長身GK」を求めてきたハリルホジッチ監督が、果たして「184cm」しかない中村航輔選手をA代表に招集する事はありえるのか?

「ありえる」とすれば、前述したように、中村航輔選手が「3強」の西川選手、川島選手、東口選手を明らかに「実力で上回り」、かつ、ハリルホジッチ監督に「中村航輔はW杯本大会のレベルでも充分に戦える」と評価される以外に、ない。

 

「Jリーグ」と「世界」とでは、「求められるモノ」が違う

身長」が、なぜ、そんなに重要なのか?

理由はたくさんありますが、その内の代表的な1つが、「ハイボール」です。※ハイボールに関してはこちらもご参照下さい⇒【「ハイボールが苦手」なGKが「ハイボールが武器」になる練習法】(☜クリック!)

ハイボールは「身長」の影響をモロに受ける。ごまかしが利かないのです。

けど、日本サッカーのスタイルとして、Jリーグの試合の中では、世界と比べて「ハイボールの強さ」が必要とされる状況が少ない

これはスペインリーグもそうなのですが、パスを主体とするスタイルの国のリーグは、「ハイボール」よりも、「反応」や「足下の技術」などがより求められます。だからバルセロナも、リーグ戦では「身長が低い」ブラボを、CLでは「身長が高い」テア・シュテーゲンを…とGKを使い分けていました。

Jリーグでは、日本サッカーのスタイル上、「GKの身長が低くても活躍できる」のです。身長が低くても、あまり問題はない。

ところが、W杯本大会レベルの試合では、そうはいかないのです。

例えば先月のキリン杯(☜クリック!)のボスニア・ヘルツェゴビナ戦。相手は前線に身長が高い攻撃陣を揃えており、そこへのクロス(ハイボール)を繰り返してきました。

2006年ドイツW杯のオーストラリア戦。日本が1-0でリードして迎えた終盤…。相手のロングスローに飛び出したGK川口能活選手が「ハイボール」の処理をミスして失点…。そこから「悪夢の大逆転負け」を喫しています。

過去に日本代表はW杯で、実際に「ハイボール」で「悪夢」を見ている(☜クリック!)のです。この事実を見ても、世界と戦う上でいかにGKに「身長」(ハイボールの強さ)が重要か、お分かり頂けるかと思います。

 

Jリーグでは問題にならない事が、W杯本大会など「世界」と戦う時に、大きな問題になる

 

「Jリーグ」と「世界」とでは、「求められるモノ」が違うのです。

 

だから、Jリーグでは問題にならない中村航輔選手の「身長」が、W杯本大会など「世界」と戦う時に、大きな問題になる可能性がある

ハリルホジッチ監督はそういう「世界で求められるモノ」を知っているからこそ、「身長が高い」GKである権田選手や六反選手や林彰洋選手を招集してきたのだと思います。

過去にどれだけJリーグで出色の活躍を続けても、横浜FMのGK榎本哲也選手や飯倉大樹選手が「代表に呼ばれなかった」のも、京都サンガのGK菅野孝憲選手が「代表に定着できなかった」のも、やはり「身長」が大きく影響していると思われます(僕の推測です)。※菅野選手は2009年のキリンチャレンジ杯フィンランド戦で代表に招集されている。出場はなし。

Jリーグではなく「世界」と戦わねばならない代表監督からすると、やはり身長が「基準」(最低185cm以上)に達していないGKは、どうしても呼びにくいし、呼んだとしても使いにくい。特に欧州などの外国人監督は「身長」への要求が強い傾向があります。ちなみに西川選手、川島選手、東口選手の「3強」の中で、身長が「基準」(最低185cm以上)に達しているのは、川島選手(185cm)しかいません。

身長が「基準」に達していないと、世界と戦う時に何が起こるか…代表監督はよく分かっているんですね。

身長が「基準」に達していないのに代表に呼ばれて活躍するには、身長のハンデを補って余りあるほどの、よほどの「スーパー」な能力がないと難しいのが現状です。

以上の点を踏まえ、果たして今後、ハリルホジッチ監督体制の日本代表で中村航輔選手の招集はあるのか…?(個人的には、中村航輔選手に関しては「身長」以外にも感じる事はたくさんありますが、それはまた別の機会に述べたいと思います)

今後も日本代表のGK陣から、目が離せません。

ちなみに「身長」ですが、僕、実は34歳を過ぎてから今年36歳までに、何と「2cm」も伸びて(!)現在「187cm」になりました!「どうやって34歳を過ぎてから『2cm』も身長が伸びたのか?」についても今後ブログに書きたいと思いますので、乞うご期待!

※「身長」に関してはこちらもご参照下さい!⇒【背が低いGKがやるべき事は、本当に「牛乳を飲む」事なのか?身長など先天的な問題を抱えるGKが「やるべき事」】(☜クリック!)

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日本代表のGKコーチが交代!≪その3≫「サプライズ招集」される可能性があるGKは?】(☜)

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④≪「海外挑戦すべきか?」正しい【決断】を下せる「3つ」の方法〈後編〉 お金、治安、語学…目標はあるけど【決断】できない人へ

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