【GK論】サガン鳥栖GK林彰洋選手は、日本サッカー界の「救世主」となれるか?


「ライバルに勝ちたいGK」へ!グローブ

 

★前回ブログは!⇒『【ロシアW杯アジア最終予選】日本、UAEにホームで敗戦!「GK勝負」で負けた日本』(☜)

 

 

「長身かつ、『速く』『遠くに』動ける」

 

僕がずっと日本サッカー界で探し求めている「理想のGK像」です(もちろん高レベルの技術なども兼ね備えている事が前提です)。

僕の中で「長身」とは「身長188cm~190cm以上」を指します。185cmは「プロGKに最低限、必要な身長」(☜)であり長身の部類には入りません。むしろ欧州などでは185cmは「まだ足りない」とさえ言えます(187cmはギリギリ「長身」に入るか入らないかの境界線)。

 

長身かつ、『速く』『遠くに』動ける

 

僕はこの「理想のGK像」を探し求めて、J1、J2(☜)、学生の試合(☜)…あらゆるカテゴリーのGKを、実際にスタジアムに足を運んで、あるいは映像で…長きに渡って見続けてきました。

しかし…。

「長身」までは該当するGKはいても、「かつ、『速く』『遠くに』動ける」という条件を満たしている日本人GKは、残念ながら、目の当たりにする事ができませんでした。

以上の結果、僕の中で、日本人の「長身GK」全体に共通する「課題」は、

 

「かつ、『速く』『遠くに』動ける」能力の不足

 

だという結論に至りました。

だからこそ日本では、「長身GK」こそいれど、J1や代表でバリバリの正GKとして活躍する「長身GK」が出てこないのでしょう。「『速く』『遠くに』動けない(動きが「遅く」「遠くに」動けない)」このウィークポイントが、日本人の「長身GK」のせっかくのポテンシャルの高さの足を引っ張っていると考えます。

 

では、「世界」のGKはどうか?

身近な存在として挙げられるのが、ジュビロ磐田GKカミンスキー。

カミンスキーは身長「191cm」と正に「長身GK」ですが、日本人の「長身GK」は誰も持ち合わせていない「かつ、『速く』『遠くに』動ける」能力を兼ね備えています(☜)。同じアジアでは上海上港GKヤン・ジュンリン(身長191cm)も、この能力を兼ね備えています(☜)。

もちろんカミンスキーとて決して完璧ではないし、ミスもあるGKですが(だからこそJリーグにいるとも言える)、僕が考える「理想のGK像」の条件=「長身かつ、『速く』『遠くに』動ける」=それは日本人の「長身GK」が誰も持ち合わせていない条件…を兼ね備えている点は、見逃せないポイントです。そして、欧州の一流GKは、カミンスキーに限らず大半のGKがこの条件を兼ね備えています。

僕自身、よく質問を受けます。「かつ、『速く』『遠くに』動ける…ようになるには、どのようなトレーニングをすれば良いのでしょうか?」と。

これは「企業秘密」になるのでここで語る事はできませんが、日本のプロチームのどのGKコーチの方々も、アプローチ方法こそ各々で違いはあれど、そういった課題を改善するためのGK練習は、充分に行っているはずです。

それでも、カミンスキーや欧州の一流GKたちのように「長身かつ、『速く』『遠くに』動ける」日本人GKは、誰も出てこない…。僕は「ひょっとしたらこれは、日本人と欧州人の体の作りの違いもあるのではないか?」とさえ、考えました。

これは先日、公開された川本梅花さん執筆のこちらの記事で詳しく述べているので、ご参照下さい⇒『【警告の代弁】第1回:長身ゴールキーパーの可能性 笠原昂史(水戸ホーリーホック)』(☜)

 

そんな中…。

僕は「あるGK」の「ある動き」に、「希望」を感じました。

 

サガン鳥栖GK林彰洋選手。

 

先日のJ1・2ndステージ第11節。浦和レッズとのアウェー戦。

鳥栖は0-2で敗れてしまいましたが、失点よりも「印象に残った」林彰洋選手のプレーがありました。

それが57分の、武藤雄樹選手との1VS1を止めたプレー。

このプレーは、「2つ」の素晴らしい対応がありました。

まず1つ目の対応。

林彰洋選手は「195cm」の巨体ながら、抜群のタイミングの素早い寄せと正確なポジショニングで、大きな体の「面」を使って、シュートコースを限定

武藤選手からすると、シュートコースは「なかった」はずです。だからこそ武藤選手はシュートではなく「ドリブルで抜く」事を選択しました。いや、「そうせざるを得なかった」のです。

「シュートに触って止める」事だけが、GKの好プレーではありません。「シュートさえ打たせない」守りもGKの隠れた好プレーなのです。

そして、僕が特に「印象に残った」のは、この後の林彰洋選手の「2つ目」の対応でした。

 

快速を活かした非常に速いスピードで武藤選手が林彰洋選手を抜きにかかりますが、林彰洋選手は「195cm」の巨体を感じさせない、武藤選手に負けないスピードで再度、寄せ、瞬時に正しいポジショニングをとり直し、大きな体の「面」で決定的シュートをスーパーセーブで見事に防いだのです。

これだけ大きな体(195cm)の「面」で、これだけの「スピード」で動き、この距離から「正しいポジショニング」をとられたら、武藤選手に限らず、どんなシューターでもゴールを決めるのは至難の業です。

その寄せの「スピード」が、今まで僕が長きに渡って見続けてきた日本人の「長身GK」には、ほとんど「ないもの」だったのです。

 

僕は林彰洋選手のこの「動き」に、自身が長きに渡って探し求めてきた「理想のGK像」…「長身かつ、『速く』『遠くに』に動ける」能力を兼ね備えた「日本人で最初のGK」になれるかもしれない…という大きな「可能性」と「希望」を感じました。

 

※下の動画「1:59」のプレーです。

 

日本代表のハリルホジッチ監督も、川島永嗣選手を招集しない時は、コンスタントに林彰洋選手を招集している事を見ても、僕はハリルホジッチ監督の林彰洋選手に対する「期待」は、かなり大きいと考えます。※そこについては詳しくはこちらに書きましたので、ご覧下さい⇒『【GK論】日本代表のGKコーチが交代!≪その2≫中村航輔選手は呼ばれるか?東口順昭選手のスタメン起用はあるか?他のGKにもチャンスはくるか?』(☜)

林彰洋選手がもつ「195cm」という身長は、日本に限らず欧州を含む「世界」においても優位性を出せる、1つの素晴らしい「才能」です。これだけの身長をもつGKは、日本にはほとんどいない。林彰洋選手は日本において非常に「貴重」な存在であり、日本サッカー界の「希望」なのです。身長だけは、どれだけ練習しても「伸びる」というものではないですからね。ただ僕は、34歳から「2cm」も身長が伸びて現在36歳で身長「187cm」になったのですが…(「どうやって身長が伸びたか」も今後ブログで書く予定ですので、お楽しみに!)。

※「身長」に関してはこちらもご参照下さい!⇒【背が低いGKがやるべき事は、本当に「牛乳を飲む」事なのか?身長など先天的な問題を抱えるGKが「やるべき事」】(☜)

 

この身長「195cm」の「優位性」を「世界」でも本当の意味で出すためには、例えば最低でもJリーグで「ハイボールだけは誰にも負けない。多少、競り合いながらでも、難しいボールでも処理できる」というくらいにならなければならない…と考えます。ハリルホジッチ監督も、そういったところを「長身GK」の林彰洋選手に求め、期待し、林彰洋選手を日本代表に呼び続けていると思われます。「世界」との戦いでは、GKの「ハイボールの強さ」は必要不可欠の重要な要素(☜)ですからね。

ところが、これは林彰洋選手に限らず、アルビレックス新潟の守田達弥選手(☜)などにも共通する、日本人の「長身GK」全体の課題なのですが、「長身なのに、なぜかハイボールが強くない」傾向があるのです。僕が見てきた中で、今のところ「長身」が「ハイボールの強さ」と比例している唯一のJ1のGKは、サンフレッチェ広島GK林卓人選手だけです(☜)。

ただ、その林卓人選手ですら、昨年のクラブW杯のリーベル戦ではハイボールのミスから失点を喫しています(☜)。Jリーグでは「優位性」を出せても、「世界」でハイボールの「優位性」を出せるGKは、日本にはまだ「いない」と言えるのかもしれません。個人的に「ハイボールは日本人GK最大の弱点」(☜)と考えます。

そういった「日本人GK最大の弱点=ハイボール」も、林彰洋選手は逆に「武器」にできるだけのポテンシャルを秘めている

 

今回は細かな技術面に関しては述べませんが、林彰洋選手が、ここまで述べてきた「長身かつ、『速く』『遠くに』に動ける」能力がより一層、強化され、さらに「世界でも武器になるほどの絶対的なハイボールの強さ」も身に付けた時、「日本一のGK」になれる可能性は充分にあるし、その時、林彰洋選手は日本サッカー界の「救世主」になれると信じています。

 

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