読者の皆様から寄せられたご質問に対する「Yojiの回答」コーナーの、<第6回>です。一気に全部のご質問には答えられないので、日をおいて、届いたご質問から順番に答えさせていただきます。
あくまでも「Yoji個人」が感じたことを、そのまま回答させていただきますので、同じ経験をしたけど違う感じ方をした人もいらっしゃるかと思いますが、その点はご了承下さい。
<今日の質問>
「ホンジュラス代表サッカーチームは、数年前、『FIFA年間最優秀チーム』に選ばれたことがありますよね?」
<Yojiの回答>
僕は、ホンジュラスでプレーした唯一の日本人サッカー選手として、ホンジュラスの素晴らしさを故郷・日本の人々に伝えていくことは、僕に与えられた「使命」であり、そして、そうすることが、お世話になったホンジュラスに対する大きな「恩返し」になると考えています。
現在、日本のサッカー情報は、あまりにも「ヨーロッパ」に偏り過ぎています。その結果、皆が皆、ヨーロッパのサッカーに憧れ、そして、「ヨーロッパのサッカー」=「世界最高」だと思い込んでいます。
確かに、それが間違いだとは思いません。
しかし、よくよく冷静に考えてみると、世界で最も、「W杯」を制しているのは、ヨーロッパの国ではなく、「南米」のブラジルです。
また、2年前から行われている「クラブW杯」においても、日本のメディアは「リバプール」「FCバルセロナ」など、ヨーロッパのチームにばかり注目し、大騒ぎしましたが、2大会とも、優勝したのは、「南米」ブラジルのチームでした。
さらには、ヨーロッパのビッグクラブで中心選手として活躍している選手の名前を思い浮かべてみると、「ブラジル代表」のロナウジーニョ、「メキシコ代表」のラファ・マルケス、「カメルーン代表」のサムエル・エトー(3人ともFCバルセロナ)、「コートジボアール代表」のドログバ(チェルシー)、「ホンジュラス代表」のダビド・スアソ(インテル・ミラノ)…など、ヨーロッパ以外の国々の選手が、本当に多い…。
この事実は、「サッカーが盛んなのは、何もヨーロッパだけではない」…ということを、如実に物語っています。
それでも、なぜか日本では、ヨーロッパのサッカーだけが崇拝され、その反面、他の地域のサッカーを見下してしまう傾向が強いようです。一体、なぜなのか?
それは最初に書いた通り、日本で伝えられているサッカー情報が、あまりにもヨーロッパに偏り過ぎているからに他なりません。
逆に、「北中米カリブ海地区」に関しては、日本でそのサッカー情報を耳にする機会は、ほとんどありません。例えあったとしても、「ジャマイカは弱い!」…など、誤った情報ばかり…(日本は「W杯」でジャマイカに負けたのですから、「ジャマイカは弱い!」という情報は間違っていたと、言わざるを得ません)。
今日の質問の中にある、
「ホンジュラスは、『FIFA年間最優秀チーム』に選ばれたことがある…」
…この事実を知っている日本人は、果たしてどれだけいることでしょうか?
事実は事実として、やはり、しっかり伝えなければなりません。…でないと、また、根拠も無く「ジャマイカは弱い!」「オーストラリアには勝てる!」…など、誤った認識をする日本人が出てきかねません。それは、日本人自身にとっても良くないことだと、僕は思います。
ホンジュラス代表サッカーチームは、「FIFA年間最優秀チーム」に選ばれたことがあります。これは、「事実」です。
それは、「2001年」の出来事…。
この年、ホンジュラスは、「コパ・アメリカ・コロンビア大会」に、「招待国」として出場しました。
「招待国」というのは、少々、事情があります。「コパ・アメリカ」というのは、日本名で「南米選手権」…つまり、通常、「中米」であるホンジュラスには、参加資格が無い大会なのです。
しかし、「トルシエ・ジャパン」時代には日本代表もこの大会に参加しているように、「コパ・アメリカ」は近年、「招待国」として、南米以外の地域からも参加チームを招き入れています(ちなみに日本代表は、ペルーに「2-3」、パラグアイに「0-4」、ボリビアに「1-1」…の「1分2敗」と、1勝もできずに大会を後にしています)。
…ただ、それでも、この「コパ・アメリカ・コロンビア大会」に関しては、ホンジュラスは全く、出場の予定はありませんでした。大会開幕「前日」までは…。
この大会の前、開催国であるコロンビアにて、ゲリラによるサッカー協会副会長の「誘拐事件」が起きました。ちなみに「誘拐事件」は、ホンジュラスでも日常茶飯事で起こります(ホンジュラス・プロサッカーリーグの審判の娘さんが誘拐された事件に関する過去記事は→こちら)。
この事件により、「こんな危ない国で大会なんか開けない!」と、一時は「中止」の決定が下りました。しかし、「ここまできて中止になったら、国の威信に関わる!」と、コロンビア側が大会中止を拒否し、今度は、「来年に延期」…という決定が下りました。
…ところが、大会開幕「1週間前」。ゲリラ側が、「やっぱり俺達もコパ・アメリカが見たいよー!」と、何と、誘拐していたサッカー協会副会長をいきなり解放!!(かなり、「ありえない!」話です…)
こうして、二転三転のドタバタ劇の末に、どうにか「2001年」に予定通り、「コパ・アメリカ・コロンビア大会」は、開催されることになりました。
…しかし今度は、これにアルゼンチンがブチキレ、「こんな危ない大会に参加できるか!」…と、何と大会開幕「前日」に、参加辞退を表明!!
そこで、アルゼンチンの代わりに白羽の矢を立てられたホンジュラスが、「招待国」としてこの大会に参加することになったのです。
…が、見ての通り、大会開幕「前日」に招待されるという、あまりにも急な話に、ホンジュラス側は当然、全く準備などできておらず…。
日本代表がよく、「過密日程で…」「準備期間が無くて…」と口にしますが、この時のホンジュラスなんか、過密日程もクソも無い…前代未聞の、「準備期間」=「0日」で参加させられているんです!!(笑) 練習さえ、できない…。
これを考えると、やはり日本代表は、恵まれていますね~(中南米では、こうした「ありえない!」出来事が度々、起こります。だからこそ、中南米の選手は、日程や環境の変化に強いのかもしれません)。
…こうして、ムチャクチャな日程で参加させられたホンジュラスですが、何とこの大会で、世界中の人々に衝撃を与える、脅威の活躍を見せることになるのです。
グループリーグは、コスタリカ、ボリビア、ウルグアイと同組。
初戦こそ、同じ中米の「招待国」コスタリカに「0-1」と敗北を喫しますが(得点は元「FC東京」のワンチョペ)、続く第2戦、ボリビアを相手に「2-0」で勝利すると、第3戦、強豪ウルグアイにも「1-0」で勝利し、見事「グループ2位」で、決勝トーナメント(準々決勝)に進出しました。
…が、決勝トーナメント初戦の相手は、何と、あの、「世界最強のサッカー王国」…
「ブラジル」。
さすがのホンジュラスも、ここまでか…?まあ、「準備期間0日」にしては、決勝トーナメントにも進出したし、上出来、上出来!!お疲れ様でした…。
…と、試合前は誰もが、「ブラジル勝利」を予想しました。まあ、ある意味、当然っちゃ、当然のことです。「ブラジルに勝つ」なんて、世界のどんな国でも、極めて難しいことなのですから…。
しかし、ここからがホンジュラスの、「真の快進撃」の始まりでした。
何とブラジルを、「2-0」で撃破!!
世界中に大きな衝撃を与えました。
しかも、この勝利…。単なる勝利ではありません。
あの「世界最強のサッカー王国」ブラジルを相手に、真正面から「攻撃サッカー」で挑み、相手をパス、ドリブル、身体能力で、「おちょくり」抜いての勝利…。結果はもちろん、そのサッカーの「内容」に、世界中がド肝を抜かれました。
<動画>「2001年コパ・アメリカ・コロンビア大会 準々決勝『ホンジュラスVSブラジル』」
(白&青が「ホンジュラス」、黄色が「ブラジル」)
パスで組み立て、ドリブルでDFをかわし、センタリングに頭で合わせた、先制ゴール。そして、自陣から脅威の身体能力で、一気にスピードに乗った突進で相手ゴール前まで攻め込み、最後は「股抜き」センタリングからのゴール…。ホンジュラス「らしさ」満載の試合です!!(ホンジュラスの2ゴールは共に、Jリーグの大宮でもプレーした、サウル・マルティネスです)
しかも、この時のブラジルは、ただのブラジルじゃ~ありません。「2001年」…ということは…。そうです。翌年の「2002年日韓W杯」でブラジルは、優勝しています。つまり、この時のブラジルは、正に「世界最強」。ホンジュラスは、そんなブラジルに土をつけたのです!!
…確かに、この時のブラジルは、コロンビアの治安の悪さにビビッた何人かの主力が参加していませんでした。しかし、ホンジュラスも、ダビド・スアソなどヨーロッパでプレーする選手を欠いていました。また、ブラジルはそれでも、翌年の「日韓W杯」で「優勝」を成し遂げるメンバーが、ズラリ、顔を揃えていました。
「ブラジルに勝つ」…ということが、どれだけ難しいか?今回もまた、日本のサッカーファンにも分かり易いように、馴染みのある「日本代表」と比べてみたいと思います。
日本代表が、その長い歴史の中で、ブラジルに勝った回数は…?
「0回」。
何10年の長い日本サッカーの歴史の中で、ただの1度も、ブラジルに勝ったことは無いのです。親善試合や練習試合などを含めても、勝利数は、「0回」…。
「96年のアトランタオリンピックで、1-0で勝ったじゃないか!!」
…という声もあるかもしれませんが、あれは「オリンピック代表」の試合であって、「フル代表(A代表)」の試合ではありません。国際的な基準では「勝利」に換算されません。
しかも、相手がブラジルだと、日本代表の場合、「守備的」に闘うので精一杯のはずです。しかし、この時のホンジュラスは、前述したように、「攻撃的」に闘い、ブラジルを「おちょくり」抜いての勝利…(上の「動画」を見れば、そこら辺が少し、垣間見えるはずです)。
ましてや、この「コパ・アメリカ」というのは、「世界最古の歴史を持つ大会」とも言われ、サッカーが盛んな南米の国々にとっては、正に、国の「プライド」と「威信」を懸けた、真剣勝負…。ブラジルにとっては、大変、屈辱的な敗北だったのです。
「ブラジル撃破」の後、ホンジュラスは準決勝にて、「開催国」のコロンビアに「0-2」で敗れてしまいました。
…ただ、この後、コロンビアは、結局、「全試合無失点勝利」という、「ありえない!」成績で優勝を遂げるのですが、僕が思うに、ゲリラが「誘拐事件」を起こすなどしていたこの時のコロンビア国内では、おそらく「コロンビアにだけは、勝ったらヤバイ」…という、雰囲気があったのだと思います(もちろん、実力的にも、コロンビアは素晴らしいチームです)。
準決勝で破れ、「3位決定戦」に回ることになった、ホンジュラス…。相手は、グループリーグでも対戦した、強豪ウルグアイです。
この試合、両チーム共に試合終了「5分前」に得点を奪うなど、白熱の試合を繰り広げ、結局、「2-2」からの「PK戦」で、ホンジュラスが勝利しました。
こうして、大会開幕「前日」という、常識では考えられないメチャクチャな日程で急遽、参加が決まった「招待国」ホンジュラスが、「初出場」にして、「コパ・アメリカ 3位」という偉業を成し遂げました!!
<動画>「2001年コパ・アメリカ・コロンビア大会 3位決定戦『ホンジュラスVSウルグアイ』」
(白が「ホンジュラス」、青が「ウルグアイ」) おめでとう、ホンジュラス!!
この衝撃的な「結果」+パス、ドリブル、身体能力を駆使した、華麗で、自由奔放で、おもしろい、素晴らしい攻撃サッカーの「内容」が、「FIFA」からも高く評価され、「2001年」、ホンジュラスは「FIFA年間最優秀チーム」に輝きました。
この「FIFA年間最優秀チーム」というのは、文字通り、「FIFAが認めた、その年、世界で最も輝いたチーム」のことで、日本代表がたまに獲得する、「AFC(アジア・サッカー連盟)」主催の、「アジア最優秀チーム」とは、全く「価値」が異なる、別次元のものです。
詳しくは分からないのですが、僕の記憶では、日本代表が「FIFA年間最優秀チーム」に選ばれたことは、長い日本サッカーの歴史上、ただの1度も無いはずです。
以上、これが、「ホンジュラス、2001年『FIFA年間最優秀チーム』」の真実です。
実は、この前年の「2000年」にも、ホンジュラスは「FIFA年間最優秀チーム」の最終候補に、オランダと共にノミネートされていました。
「2000年」のホンジュラスは、「シドニーオリンピック」にて、「前回大会覇者」のナイジェリアを相手に、真っ向から攻撃サッカーで挑み「3-3」の引き分け、日本が昨年の「ドイツW杯」で完敗したオーストラリアに対し、「完全アウェー」という不利な状況ながら、「2-1」で勝利…。強豪イタリアに負けて、惜しくも決勝トーナメント進出はなりませんでしたが、この大会でホンジュラスサッカーは、世界に大きな衝撃を与えました。
…しかし「2000年」の「FIFA年間最優秀チーム」は、結局、ホンジュラスではなく、オランダが選ばれました。もし、この時、ホンジュラスが選ばれていれば、「2年連続」で、「FIFA年間最優秀チーム」に輝くという、偉業を成し遂げていた可能性もあったのです(ただ、人生に「たら、れば、もし」は、ありません)。
「ヨーロッパ」のサッカーは、確かに素晴らしいです。
「日本」のサッカーも、素晴らしいです。
しかし世界では、日本人の知らないところで、こういう凄い出来事が毎年、起こっているのです。「素晴らしい」サッカーをしているのは、何も、ヨーロッパや日本だけではない…。
「北中米カリブ海地区」のサッカーに関しては、現在の日本では、ほとんどその情報すら入手できない状況にあります。
だからこそ、これからも僕は、できる限り、「ホンジュラス」や、「北中米カリブ海地区」のサッカーの素晴らしさを、日本の人々に伝えていければと思います。
※ ホンジュラスサッカーの素晴らしさについて書かれた、大変、おもしろい記事を見つけました。ぜひ、読んでみて下さい!
→ こちら!
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貴重なご質問、誠にありがとうございました。
※2005年。ホンジュラス最強チームの1つ、マラトン。オレンジのビブスが僕です。
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確かに、日本のマスメディアは北中米カリブ地区をナメています。又、アメリカのメジャーリーグサッカーでは、クラブによっては
ラグビーやアメフト専用のスタジアムでサッカーの試合をしているクラブもあります。でも、環境がどうであろうと、アメリカのサッカーも
ホンジュラスのサッカーも現に強いんですよね。日本のメディアは、日本代表と同格かそれ以下だろうと思われるチームや地域に対しては報道
しない傾向ですね。確かに、欧州の華やかなスタープレーヤー達のフットボールを報道する方が、中南米の地味なフットボールを報道するよりは視聴率が取れるかもしれない…著名な日本人選手も欧州にいますから。中南米の国々が富を得て、欧州でプレイする中南米出身のスター選手達をそれぞれの母国や中南米諸国のクラブへ招けば中南米にももっと注目が集まるでしょう。しかし、残念ながら昨今の中南米の立場はその貧困から、サッカー選手輸出国としてしか看られていないんですね。例え、中南米の代表チームが頑張ろうともその国の国内リーグが華やかに彩られていなければ日本のメディアは評価しない…恐らくそういう観点なのでしょうね。すいません、長いコメントでして…。
geocareさん。
熱いコメント、本当にありがとうございました。
日本のサッカーが発展しているのは、間違いありません。しかし、日本が活躍している「アジア」という枠組みを、よくよく検証してみる必要があると思います。
この点に関しては、またの機会に書きたいと思うのですが、「W杯」「クラブW杯」、その他、世界的権威のある大会での実績、世界の一流リーグで活躍している選手の数、「FIFA年間最優秀チーム」などの賞を獲得した回数、そして「FIFAランク」……どれをとっても、全てにおいて、「北中米カリブ海地区」は、「アジア」を凌駕しているんです。これは、紛れもない「事実」です。
それなのに、その「アジア」の国の人間が、「北中米カリブ海地区」のサッカーを見下す…というのは、あまりに本末転倒で、根拠が無くて、僕にはとても理解できません。
正直、言うと、僕もアメリカやホンジュラスに行く前は、「北中米カリブ海地区」のサッカーをナメていました。それは、やはり日本で報じられる「北中米カリブ海地区は、弱い」…という間違った情報に騙されていたからです。しかし、現地で彼らと共にサッカーするに従って、彼らの能力の高さを、まざまざと体感しました。自分の考えが誤っていたことに、気付かされたのです。
確かに、視聴率などを考えると、「ヨーロッパ」に偏った報道になってしまうのは、ある意味、仕方がないです。しかし、「日本(アジア)は、北中米カリブ海地区よりも上だ」的な、間違った報道の仕方だけは止めていただきたいです。
フランスW杯では、日本はジャマイカに負けました。
ジーコジャパン時代には、「2軍」のアメリカに、全く歯が立たず、ボコボコにされました。コンフェデのメキシコ戦も、点差以上の実力差を見せ付けられて、完敗しました。
「日本が北中米カリブ海地区よりも上だ」…という根拠は、何一つありません。
geocareさんがおっしゃるように、「中南米が豊かになって、ヨーロッパで活躍する母国の選手を呼び戻せれば…」という現象が、現在、メキシコで起こっています。アルゼンチンやブラジル、その他、中南米の有名選手が、続々、メキシコリーグに参加しています。彼らにとっては、文化も何もかも違うヨーロッパでプレーするよりは、メキシコでプレーした方がメリットがある(給料も良い)…という考えのようです。メキシコリーグのレベルは、正直、アジアのどの国のリーグよりも高いです(「クラブW杯」でも証明済み)。…しかし、全く日本では注目されてないし、実力が過小評価されています。残念でなりません。
長くなりました。
コメント、誠にありがとうございました。
恐らく、日本のマスコミはサッカーに関してはド素人なので、単純にFIFAランクだけを参照して優劣を判断しているのだと思います。例えば、よくテレビでアナウンサーなどが 「 日本はFIFAランク○○位の格下の○○を相手に苦戦….」 などという言葉をよく耳にしますが、僕はFIFAランクの信憑性やクラブW杯、コンフェデの権威を信用していません。コンフェデはプレW杯と称されるように権威あるタイトルとしてでなく、各大陸の王者が寄せ集められただけの親善試合のカタマリのようなものです。過去、現にドイツなどは選手の日程調整などからコンフェデに参加することを嫌がり辞退しました。コンフェデは、いわばインタートト・カップのような存在です。FIFAランクの信憑性に関しては恐らく Yoji さんもご存知のはずです。欧州におけるクラブW杯の位置付けは、その歴史は浅く、UCLほどの権威はありません。欧州以外のクラブなどはクラブW杯のために毎回早目に来日していますが、ミランやバルサは超過密・強行日程の中、遠路はるばる自身のチームの 「 宣伝活動 」 のためにわざわざ来日しなければならないのです。バルサなどはクラブW杯の開催期間中もまだスペインにいて国内リーグを戦っていたほどです。その上、欧州にとってクラブW杯で優勝することは名誉なことでもありませんし、彼らにとっては大した金でもありません。彼らにとっての最大の栄誉は未だにUCLで優勝することなのです。確かに、中南米には、グアダラハラ、アメリカ、クルス・アスル、サブリサなどといった名門もあります。しかし、それらにカカやロナウジーニョといったクラスの選手が来ない限り注目はされません。ましてカタールやUAEのような 「 年金リーグ 」 には嘲笑すら漂います。
geocareさん。
geocareさんのように、しっかり客観的に日本のサッカー、そして世界のサッカーの現状を見つめておられる日本人の方がいらっしゃると知り、大変、尊敬するとともに、非常に嬉しく思います。
geocsareさんのおっしゃる通り、確かに日本のメディアは、「FIFAランク」を基準に代表サッカーを語ることが多いですね。もちろん、「FIFAランク」が全く外れているとは思いませんが、正確性に欠けるランクなのは間違いないです。おそらく日本のメディアからすると、「FIFAランク」だけで相手チームを語った方が、例えばホンジュラスが「2001年FIFA年間最優秀チーム」に選ばれた事実などを、いちいち調べる手間が省けるので、楽なのではないでしょうか?(笑)
また、おっしゃる通り「コンフェデ」「クラブW杯」に関しては、まだまだ世界的に認知される大会にはなっていませんね。「コンフェデ」はともかく、僕としては、「クラブW杯」は、しっかり権威のある大会として、世界で認知されるようになって欲しいと強く願います。「UCL」も「W杯」も、始めた当初は、知名度も認知度も低かったと聞きます。「クラブW杯」は、「W杯」とはまた全く違った魅力が出せるはずです。
ただ、「クラブW杯」も、「不公平」が見える大会だと思います。geocareさんがおっしゃるように、ヨーロッパのチームのモチベーションの低さもありますが、例えば、これまでの2大会は、先に「北中米カリブ海地区」「アジア」「オセアニア」「アフリカ」の代表チームが試合し、その勝者は、疲労困憊の状態の中で、中1日か2日というメチャクチャな日程で、「ヨーロッパ」「南米」の代表チームと闘わなければなりません。これでは、先に試合をせず、万全のコンディションで待ち構えている「ヨーロッパ」「南米」の代表チームが、圧倒的に有利です。ここら辺も、何だかスポンサーや大会主催者の思惑が見え隠れしていて、納得いきません(おそらく、「ヨーロッパ」VS「南米」で決勝をしてもらいたいはずです)。せめて、全チームが「平等」な条件で闘えるよう、工夫してもらいたいと思います。
僕といたしましては、UAEやカタールのようなリーグも、まあビジネス的にはありだと思います(笑)。それと、おっしゃるように、中南米のリーグに注目度が集まらないのは、仕方がないのかもしれません。僕としては、注目はしなくて良いので、せめて、その実力を「過小評価」することだけは止めて欲しいです。…と言うのも、特にメキシコのリーグは、本当にレベルが高いのです。若手、中堅、ベテラン…全ての年代に、素晴らしい人材が揃っています。それに、Jリーグと違って、上位と下位の実力差がありません。非常にレベルが高い争いをしています。
大変、長くなりました。
また何かの時は、いつでもお気軽にご連絡下さい。
貴重なコメント、誠にありがとうございました。
申し訳ありません、サッカーの事となるとつい熱く語ってしまいます。ええ、確かにメキシコは代表選手の入れ替わりが激しい国ですね。
それ程、各クラブが有力な選手を保有しているということですよね。僕はかつては、メヒコのサイドアタッカー、ラモン・ラミレスの隠れファンでした。
そういえば、あのモレノ主審も中米出身でしたよね?
欧州の Gaora などでは割と公平に首尾一貫して全世界のサッカーを詳しく放送してますよね。日本のマスコミも、もしサッカーにとことんこだわるのであれば、それに見習うべきであると思います。
では、失礼致します。
geocareさん。
「熱く」なってもらって結構ですよ(笑)。サッカー好きな方の、いろんな視点からの意見に、僕も気づかされることが多いですから。
「モレノ主審」とは、もしかして「2002年日韓W杯」で、「韓国VSイタリア」の試合をジャッジした審判のことですか?…あの方は確か、メキシコ出身のはずです。
「Gaora」の存在は知りませんが、やはり日本のメディアも、しっかり事実は事実として国民に伝えて欲しいものですね。
これからも、「北中米カリブ海地区」のサッカー情報を、「YouTube」動画なども交えて紹介していくつもりですので、またお時間のおありな際は、お気軽に遊びに来て下さい。
「熱い」ご意見は、いつでも大歓迎です!!
では、また!!
ありがとうございました。