マラトン。正式名称「Club Deportivo Marathon(クラブ・デポルティボ・マラトン)」。
ホンジュラス国内では、最強チーム「Olimpia(オリンピア)」に並ぶ強豪チーム。昨年は準優勝(優勝はオリンピア)ながらも、その前の年は優勝。毎年つねにオリンピアとマラトンが覇権争いをしている。正にホンジュラス2強の一角。
ホンジュラス代表に、毎回、最多の選手を送り込む両チーム。先日、日本で行われた「キリンチャレンジカップ」にも、マラトンは4選手を代表に送り込んだ。来月、行われるエジプト代表との親善試合には、また別の4選手が代表に選出されている。
元代表、U-21、20、19、17代表なども含めると、チームの8割以上の選手が代表経験者という、正にホンジュラスを代表するビッグクラブ。しかも僕と同じGKのポジションには、現役ホンジュラスNo.1GKと、No.3GK、さらにパナマ代表GKと、現役U-21ホンジュラス代表GKが居る…。
こんな物凄いチームに、「プロ」経験の全く無い僕が、いきなり練習参加に行く事になってしまった(☜)のです!!どうなる事やら…。
けど、不安より楽しみな気持ちの方が大きかったです。
例の人物の車に乗せられ、到着した練習場は、巨大なスタジアム…。何じゃここは!?
「エスタディオ・オリンピコ」という、約5万人収容の、「中米最高峰」スタジアム…。ホンジュラス代表のW杯予選なども行われる、ホンジュラスサッカー界の聖地とも言える場所…。
僕はここに足を踏み入れた瞬間、鳥肌が立ちました。こんな所でサッカーする機会なんて、今まで1度も無かった。これも「夢」の1つだった…。
「夢」が叶いました。
スタジアムでマラトン監督、コーチ、選手と初対面。
マラトンの監督とコーチは、コロンビア人で、以前は、コロンビア最強チームの1つ「ナシオナル・メデジン」というチームで働いていました。あの伝説的GKイギ-タも過去在籍しており、15年前は南米チャンピオンとして「トヨタカップ」で来日している、あの世界的ビッグクラブ…。
おいおい、一体どーなるの本当!?
けど監督は優しく「よろしく。」と言った後、チームメイト達にも「新しい仲間が来たから、みんな挨拶しなさい。」と促しました。マラトン選手達と笑顔で交わす握手と自己紹介…。
んー、何だかエエ感じだぞ!!
※写真は、監督ハイロ・リオス(左)&コーチのオラシオ(右)。
この日はフィジカルトレーニングのみ。エスタディオ・オリンピコの陸上トラックを、走りまくる。
ランニングシューズを持ってなかった僕に、ある選手が「これを使え。」とランニングシューズを貸してくれました。アップの時も、いろいろみんなから話かけられる…。
エエじゃん、エエ感じじゃん!!
走りはキツかったです。GKとは言え、ドベから2番目になってしまいました(笑)。
監督からは練習後、「明日はサッカーの練習をして、プレーを見るから。」と伝えられました。
これが凄く役立ちました。選手との連携でゴールを守る僕には「指示の声」が生命線です。
…そしてこの試合、今までの鬱憤が大爆発しました!!
ん!?プロの場合、必要なければその場で「さよなら」です。「帯同しなさい。」って事は可能性が有るのか!?
よく分からないけど、帯同する事にしました。
クラブハウスからマラトン専用のバスに選手と共に乗って、スタジアム入り。選手のロッカールームにまで帯同して、その雰囲気を生で体感しました。
そう言や、こういうのって俺の「夢」の1つだったよな~…。
また1つ「夢」が叶いました!!
試合後、帰宅のバスの中です。監督は明日の予定をみんなの前で話し始めました。けど僕は、スペイン語だからほとんど理解できない。
…するとコーチが僕に近付いて来て、こう告げました。
おお!「さよなら」を言われなかったー!
僕は今までの人生の中で何度となく「さよなら(不採用)」を告げられてきた身なので、正直、何を告げられるのかドキドキでした。しかし、今日の時点では何とか生き残りました!!
…こうして、次の日の練習後も、またその次の日の練習参加を告げられ、2日、3日、4日とマラトンで練習を重ねていく事となりました。
毎日がアピールです。プロだから、いらなくなれば「さよなら」を告げられます。だから、毎日の練習後に次の日の練習参加を告げられるたびに「良かった~…。」と胸をなでおろす日々でした。
この時、僕は、マラトンでサッカーできる事に対して最高の幸せを感じていました。正に「夢」の中に居るよう…。
こんなレベル(技術のみならず、人間的なレベルも)の高い集団の中で、毎日、サッカーする事ができる…。
隣で一緒に練習しているGKは、国の代表選手。日本代表GKの川口選手や楢崎選手と同等の技術を持った選手達と、一緒に汗を流している…。
これは…。昔からの「夢」の1つでした。
…またまた「夢」が叶った!!
一体どれだけ「夢」が叶うのか!?
※写真はマラトン主将、ルイス・ギファロ選手。
※ホンジュラスNo.1GKビクトル・コエヨ選手。
ある日の練習後です。
いきなりたくさんの報道陣に囲まれました!!
「何や、何や!!?」
意味が分からないまま、スペイン語でどんどんインタビューされます。「スペイン語は話せない!」と言う事しかできません(笑)。
しかも、こんな報道陣に囲まれるなんて、人生初の経験…。
けど、こういうのも「夢」の1つだったしな……
ん?またまた「夢」が叶ってるじゃん!!!
翌日。練習後、サン・ペドロ・スーラの街を歩いていました。気のせいか、周囲の人達の様子がおかしい…。
そして新聞売りの兄ちゃんが突然、話しかけてきました。
「マラトンのGK、Yoji!!」
……はぁ!?何で知ってるの??
するとその兄ちゃんは新聞を僕に見せ、こう言いました。
一体、何がどうなってるの!!?
その時は全く実感が無かったけど、嬉しい事には変わりありませんでした。…だって、新聞に出たりするのも、「夢」の1つだったから……
あ、また「夢」が叶った!!!
次の日の練習後も報道人に囲まれました。昨日「スペイン語は話せない。」と言った事で、この日は英語が話せる報道陣も帯同してきてました。
…その次の日も報道陣に囲まれ、しかも新聞やTVを見て集まった野次馬達にも囲まれ、まるで僕は「動物園のパンダ」のような状況に陥りました(笑)。
けど、僕はそれを「うざい」とは感じませんでした。
誰からも注目されない苦悩のサッカー人生を送ってきた僕にとって、これはもの凄くありがたい事だし、「夢」の1つだったし、本当に嬉しくて、最高の幸せを感じていました。
そして、マラトンでは選手や監督、コーチから本当に本当に良くしてもらい、今、ここ(マラトン)に居る「幸せ」を、心の底から感じる日々でした…。
アメリカ時代のルームメイトの家を出て(☜)から、ほんの数日間で、まさかこんな状況になろうとは…。
次から次に「夢」が叶う。
それは何もサッカーに限った事ではありません。友人にグアテマラに連れて行ってもらった時は、ホンジュラスとの国境を、歩いて越えました。
これは…。
昔、「あいのり」ってTV番組を見てて、歩いて国境を越えるシーンなどがあり「こういう経験してみたいのー。」と思っていたら、それも実現してしまいました!!しかも「あいのり」で中米などに行くシーンを見て「俺も行ってみたいのー。」って思ってたら、今、中米に住んでるし!!
※ホンジュラスとグアテマラの国境。
苦しかったアメリカ時代(☜)もそうです。ニューヨークの「タイムズ・スクウェアー」で年を越したのも「夢」の1つだったし、キャンピングカーでアメリカ縦断した(☜)のも「夢」の1つだった…。
「イングランド行き」(☜)も「夢」の1つだったし…。
頭の中で思い描いてた「夢」が、全部叶っている…。よく考えたら、今まで叶わなかった「夢」って無かったの~…。
何て幸せな人生なんじゃ!!
それを実現させてくれた親、友人、知人、その他、僕をここまで支えてくれた全ての人に対して、改めて感謝の気持ちが湧いてきました。僕は「最高の幸せ者」です!!
「これからどうなるのか?」…これは僕にとって、不安要素ではありません。それを考えるとワクワクしてきます!!
人生最高!!
※連絡先メールアドレス☟☟☟
cafehondurasyoji@hotmail.co.jp
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