中国で生き別れになった2匹の愛猫の運命は…。


2017年に中国で「生き別れ」になった2匹の愛猫、ジチマオとメイメイ

日本に帰国してからの「7年間」…2匹の事を忘れた日は、1日もありません。1日も。

※7年前。中国を離れる日に2匹と撮った「最後の写真」。

※ジチマオ、メイメイとの「別れ」。2匹の居る部屋を出ます…。これ以降、2匹とは7年間、会っていません…。


元々は再び中国に帰って働く事になっていたので、あくまで「一時的に」元の飼い主(僕に2匹をくれた人)に預けて帰国したのですが、日本に帰国後、突如「再び中国に帰って働く」話が消滅…。

※詳しくは⇒【「チャイナリスク」は終わっていなかった。待ち受けていた「衝撃の展開」


こうして僕は、2匹と「生き別れ」となってしまう…。




それからの2匹の「運命」は…。


元の飼い主は2匹の事を大切に飼ってくれていましたが(エサの品質まで凄く気を付けてくれていた)、間もなく「大きな問題」が発生します。

当初は仕事場の空き部屋で2匹は放し飼いにされていたのですが、職場の従業員がその部屋に住み込みで働くようになり、以降、2匹は「ケージの中」で飼われる事となってしまったのです…。

走り回るのが大好きな、元気いっぱいの2匹。ずっとケージの中で暮らさなければならないなんて、あまりにも可哀そう過ぎる…。何とかケージの外に出してあげたい。けど、僕は日本に居て、どうする事もできない…。


毎日、ケージの中に閉じ込められた2匹の事を思うと、胸が張り裂けそうになりました…。


そこで、中国で他の飼い主を探しましたが、「1匹なら…」という人も多く…。ジチマオとメイメイは同じ母猫から生まれた姉妹猫。本当にいつも一緒の仲良し姉妹で、ケージ生活の困難も、2匹で共に乗り越えてきました。

そんな2匹を、離れ離れになんて、できない…(⇩は僕が飼っていた2017年の写真と動画。本当に「いつも一緒」の仲良し姉妹でした)



先住猫として我が家に来たジチマオは、妹猫のメイメイが来ると、明らかに元気になりました。ジチマオにとってメイメイは「なくてはならない大切な存在」なのです。それはメイメイにとってのジチマオも同じ。

僕は「1匹なら」という人に、泣く泣く断りの連絡を入れました(中国なので、その人物の信頼性にも疑問があったので)。

新たな飼い主探しは難航を極めます…。


子猫なら人気なのですが、すでに2匹は体も大きく、年齢も重ねています。しかも「2匹一緒に」となると…飼える人は、中国広しと言えども、本当に限られる…。

そもそも、中国なので「信頼できる飼い主」を探す事自体が難しい。日本人には考えられませんが、「猫料理屋」まである中国です(実際、僕の家の近所にもあった)。騙されて2匹を悪い人物に渡してしまうと、何が起こるか分からない…。最悪の場合、2匹の命が…。

「2匹に万が一の事があると…」と考えると、なかなか譲渡できませんでした。「信頼できる飼い主」が見つからないのです。


こうして、2匹がケージの中に閉じ込められたまま、「6年」もの歳月が経過…。


元気に走り回りたいのに、走り回れない…。狭いケージの中での過酷な日々。それが6年間も…。どれほど辛い思いをしている事だろうか…。想像するだけで胸が張り裂けそうになります…。

元飼い主にはあくまで「預かってもらっている」状態だったので、僕はこの6年間、2匹の「養育費」を支払い続けました。

誤解して欲しくないのですが、この元飼い主は本当に良い人物で、6年間も2匹の事を大切に大切に飼ってくれていました。しかし、当初、放し飼いにしていた仕事部屋に従業員が住み込みで働きだしたのは仕方のない事であり、従業員が住んでいるので放し飼いできずケージの中で飼わざるを得なくなったのも、これまた仕方のない事だった…。元飼い主も辛かったのです。けど、どうする事もできなかった…。だからこそ、僕も元飼い主も、2匹を飼える「新たな飼い主」を探し続けてきました。



しかし、何の進展もなく…。


2匹と生き別れになってから「6年目」を迎えた、昨年。


ジチマオ、メイメイと同じ母猫から生まれた兄弟猫の内の1匹が、同じ部屋のケージの中で息絶えました…(手前の白い猫2匹が、ジチマオ、メイメイの兄弟猫。その内の1匹が…。※後ろの2匹はジチマオとメイメイです)



ジチマオ、メイメイも1日も早くケージから出してあげないと、いつ、どうなるか分からない…。2匹の体力、精神力も限界にきているはず…。


一刻を争う事態。募る焦りと不安…。愛する2匹の生涯を、狭いケージ中で終わらせる訳にはいかない。絶対にケージから解放し、もう一度、2匹を自由に走り回らせてあげたい…。


神様、お願いします。2匹を助けて下さい…。


そんな中…。





突然、「ある人物」から連絡が入ります。


その人物とは、「20年前」…僕が中国の天津に留学していた際の、日本人の留学生友達でした。

※20年前(2003年。当時23歳)天津で撮った写真。



彼女は僕に、こう告げたのです。














「2匹を引き取りたい」












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言葉が出てきません。

これは本当に現実なのか?夢じゃないのか?信じられない…。





2匹の事を思い続けて「6年」。ついに「新たな飼い主」が見つかった瞬間でした。



感動のあまり、涙が出そうになりました。どれほど「この日」を待ち望んだ事か…。



それは本当に、突然の出来事でした。




長年、中国に住んでいる彼女(現在も)。彼女の結婚相手も同じ留学生友達で、よく知る人物です。そんな彼女に、確かに6年前、僕は中国から帰国する前に連絡を取っていました。そこで2匹の話もしました。


けど、まさか、この6年間…彼女が2匹の事を忘れずに考えてくれていたなんて…。しかも、「2匹一緒に」引き取ってくれるだなんて…。



ありがとう…。ありがとう…。本当に、ありがとう…。


この6年間、毎日毎日「2匹をケージの外に出してあげて、思いっ切り走り回らせてあげたい」と願い続けてきました。毎日。1日たりとも欠ける事なく。

その「願い」が、神様に…彼女に…届きました。僕からしたら彼女自体が、正に神様そのものです。


6年間、ケージから出られないという「地獄」の日々を過ごした2匹を救い出してくれたのは、「20年前」天津での留学時代に出会った人物でした。


20年前の「出会い」が未来に「繋がり」、6年間、想い続けてきた「願い」が、ついに「叶う」…。


正に「奇跡」が起きました。


しかし…。


ここからが、また「困難」の始まりでした。




ようやく6年越しの願いが叶い新たな飼い主が見つかった事を、2匹の面倒をこの6年間、見続けてくれた元飼い主にウィーチャット(中国のLINE的アプリ)で報告しようとするのですが…





できない。




ログインできない。



どうやっても、ウィーチャットにログインできない…。



まさかの事態、発生。

原因は全く不明なのですが、ウィーチャットのログインが突如、できなくなってしまったのです…。

2匹を預かってくれている元飼い主とは、「ウィーチャットしか」連絡手段がありません。しかし、こんな大事なタイミングで、まさかのウィーチャットにログインできなくなってしまう…。

何度も正しいパスワードを入力するのですが、何度やってもエラーが出てログインできない…(パスワードは間違っていない)。

中国の友人に協力してもらい、エラーを解除する手続きも行いましたが、それでもログインできません。

僕は「スマホに問題があるのではないか?」と考え(ウィーチャットを行っていた中国のスマホは古かった)、新たに「ウィーチャットをするためだけ」にスマホを購入しました。…が、その新しいスマホでもログインできず…(もちろん、PCでもできない)。


考えうるあらゆる方法を試みますが、何をどうやってもログインできなかった…。


終わった…。




2匹を所持している元飼い主との「唯一の連絡手段」が、完全に途絶えてしまう。




やっと…やっと6年越しの願いが叶い、新たな飼い主が見つかったのに…元飼い主と連絡が取れないがために、2匹の引き渡しができなくなってしまう…。そんな…。



これには本当にショックを受けました。2匹を狭いケージから解放して自由に走り回らせてあげるチャンスがついに訪れたのに…やっとの思いで「あと一歩」のところまで辿り着いたのに…それがどうやっても「できない」という現実。


その後、古いスマホのメモリー内を探し、元飼い主の電話番号を見つけたのですが、何と番号が間違っており、繋がらず…。



こうして、新たな飼い主が見つかってから、元飼い主と連絡が取れず何もできないまま、また月日が流れてしまう…。




その間にも、2匹は狭いケージの中で苦しんでいる。早く出してあげたい。でないと、2匹の体力、精神力も限界にきている…。




絶望する中、1本の連絡が入ります。


それは、普寧の友人(中国人)からでした。



「元飼い主の電話番号が分かったぞ!!」





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また1つ「奇跡」が起きた瞬間でした。



実は3、4年前…一度だけこの普寧の友人と元飼い主が、連絡を取った事があったのです。

それは、この普寧の友人にジチマオ、メイメイの新たな飼い主探しの相談をした際の事。彼の友人が「1匹なら飼える」という事だったので、その件で一度だけ、彼は元飼い主とウィーチャットで連絡を取っていた。本当に「一度だけ」(結局、前述の通り当時は譲渡せず断る事になったが)。それで彼のメモリーの中に元飼い主のウィーチャットのアカウントが、奇跡的にまだ残っていた…。

僕が最近、ウィーチャットにログインできず元飼い主と連絡が取れない事を彼に国際電話で相談したのですが、後日、彼が「一度だけ」普寧の元飼い主とウィーチャットで連絡を取った事があったのを思い出して元飼い主に連絡し、電話番号を聞き出す事に成功したのです。


とは言え、普寧を離れてからすでに6年が経過していますからね…。そもそも、もし、この普寧の友人の電話番号が変わっていたら…完全に連絡手段は途絶え、その時点で全てが終わっていました。また、もし、3、4年前に彼にジチマオ、メイメイの事で相談していなかったら…彼が元飼い主と連絡を取る事もなく、元飼い主の連絡先は誰にも永遠に分からなくなっていた…。


ここでも「過去の行動」が、かろうじて…本当にかろうじて、首の皮1枚、「未来」に「繋がりました」。


僕は彼から教えてもらった元飼い主の番号に、国際電話をかけます。



トゥルルルルル…。





「ウェイ?(もしもし?)」



元飼い主と繋がりました!!!!!




この瞬間の心境を言葉で表現する事はできません。感動ですよ本当…。もう連絡を取る術はないかと諦めかけていた人物の声が、ようやく聞けた瞬間なのです。

こうして…やっと、やっと、やっと…「ジチマオ、メイメイの新たな飼い主が見つかった」事を、元飼い主に伝える事ができました!!!!!



ところが、ここからも、物事は簡単には進みませんでした。

ジチマオ、メイメイが居る普寧の元飼い主の所から、新たな飼い主となる僕の天津留学時代の友達のところは同じ中国と言えど遠く、「どうやって2匹を引き渡すのか?」という問題が生じます。

バスや電車、高速鉄道(日本の新幹線に相当)、飛行機で運ぶのは難しい。かと言って、タクシーで行ける距離ではない…。


様々な方法を模索した結果、「動物の運搬を専門に行う業者」に依頼する事となりました。



そうと決まってからも、全く安心はできません。

ここは、中国。それは本当に信頼できる業者なのか?本当に無事に2匹は届くのか?正直、不安しかありません…。日本ならある程度、安心して任せられますが、「何が起こるか分からない」「ありえない!がある」中国の「チャイナリスク」の危険性は、実際に何度も体験した自分が一番よく分かっている…。だからこそ、不安なのです。


だけど、不安だからと前に進まなければ、2匹の「解放」は、ない。


リスクがあるのは百も承知。けれど、無事に届く事を信じて、運搬業者に託すしか道はない。


神様、頼む…。無事に届いてくれ…。


※普寧の元飼い主のところから出発直前。ジチマオ、メイメイの不安そうな声に、胸が締め付けられる…。



そして…。









長旅を経て、2匹が無事に新たな飼い主のもとに届く!!!!!


それは、2匹が6年ぶりにケージから「解放」され、自由に走り回れる環境にようやく…ようやく辿り着いた瞬間でした。

その一報と、この動画⇩を見た時…僕はあまりの感動で涙が出そうになりました…。



6年間、狭いケージの中で辛い思いをさせて、本当にごめんな…。


よく6年間もケージ生活に耐え、元気でいてくれた…。元気な内に開放できて…間に合って…良かった。


これからは「信頼できる飼い主」のもと、広い部屋を思いっ切り走り回れる「幸せ」な人生を送れる。



良かった。本当に良かった…。


※新たな飼い主の家に着いた直後は、このように⇩机の下やカーテンの裏に隠れて出てこなかったそうです。隠れる時も一緒の仲良し姉妹の2匹。


※慣れてからは、すっかりリラックスして幸せに暮らしています。本当に、いつも一緒の2匹。狭いケージの中ではできなかった、じゃれ合う光景も…。感無量です…。

※満面の笑顔のジチマオ。幸せなのが伝わってきます…。

※いつも一緒。6年かかりましたが、2匹を離れ離れにせず、一緒に飼ってくれる人が見つかって、本当に良かった…。

※新たな飼い主(僕の天津留学時代の友達)に甘えるジチマオ。すっかり懐いています(よく膝に乗ってくるのだとか)。6年間ずっとケージの中で暮らしてきたジチマオとメイメイ。やっと幸せになった姿を見て、感動して涙が…。

ここまでの道のりは、あまりにも長かった。長過ぎた…。



6年間、何をしている時も、頭の中にはケージの中に閉じ込められている2匹の事がありました。2匹の事を考える度に、心が痛かった。どうにかしてあげたいけど、どうする事もできない日々…。辛かった…。2匹も辛かったと思います。



ようやく、その苦しみから「解放」されました。


僕が再び2匹を飼う事はできないけど、僕の大切な友人である「信頼できる飼い主」のもとで、自由に走り回って幸せな人生を生きる事ができる…こんなに「ありがたい」話はありません。例え僕が飼えなくとも、とにかく2匹が幸せなら、それで良い(中国から日本に連れて帰って飼うには難しい「手続き」が必要で、その手続きは、僕が中国に住んでいないとできないため、僕が再び2匹を飼う事はできない)。

2匹をケージから「解放」し「幸せな人生」を与えてくれた天津留学時代の友人には、感謝の気持ちしかありません。本当に…本当に、ありがとう。これからも2匹の事を、よろしく頼むね。


そして、6年間も2匹の面倒を見てくれた普寧の元飼い主にも、感謝の気持ちで一杯です。

いつかまた中国を訪れ、2匹に再会したいです。その「願い」も叶う事を祈っています。

ジチマオ、メイメイ、末永く幸せにな!!

愛する2匹の幸せを、心から願います。

ジチマオ、メイメイに幸あれ。

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