人生において大事なことを、また1つ学ばせてもらいました。
「人は、第一印象だけじゃあ分からない」
前回記事で少しだけ紹介した「超重要人物」の下を離れる決断を下しました。実は彼、「エージェント」です。
出会って最初の1、2週間は、「良い人だな~」という印象をもっていました。しかし、3週間目あたりから徐々に本性が見えてきて、「この人物に関わってると、ロクなことにならん」という気持ちが大きくなっていきました。
ちなみにこの人物、アマチュアサッカーチームの監督も務めていて、それで僕はこのチームで、コンディション回復のための調整をさせてもらっていたわけです。…ところが、フィールドの中でも度々、意見の食い違いが出てきました。
さらには、このアマチュアチームの選手達との共同生活を余儀なくされたのですが、それがとんでもない場所で、現地の人でさえ昼間も1人では歩けないほどの驚異的な治安の悪さ…。まるで「北斗の拳」の世界のような荒れ果てた光景…。家の中にはトイレどころか水さえ無い…。おまけに電気すらロクに使えないから、食事もまともに食べれない…。正に「終戦直後の日本」のような生活です。
※周りはこのような家に囲まれています。危険過ぎて、写真もまともに撮れませんでした。これは、数少ない写真の1つです。
しかし、これだけなら、まだホンジュラスでの経験でどうにか対処できる範囲内でしたが、何とある日、一緒に練習していたアマチュアチームの選手が殺人事件を起こすという、信じられない事態が勃発!!事件の前日までその殺人犯は普通に僕達の家を出入りしており、この時ばかりはさすがに、28年間の人生の中でも最大級の恐怖を感じました。
確かに僕はこれまでも、「命懸け」でサッカーをしてきました。しかし、「命」と「サッカー」…どちらが大事かと言えば、もちろん「命」です。
「1秒でも早くここを離れなければ、とんでもないことになる!!」
…ところが、プロチームと契約するために「この国」に来てる以上、他に有力なチャンスを見つけない限りは、ここを離れるに離れられない状況です。しかも、あまりにへんぴな場所過ぎて、外に出るまともな交通手段すらありません(来る時は、エージェントの車で連れて来られた)。正に「監禁」状態です。
※地獄のような場所でしたが、空だけは美しかった…。この「美しい空」が、この時の僕の唯一の希望でした。
普通なら焦る状況ですが、ホンジュラスを筆頭にありとあらゆる国々で、ありとあらゆる修羅場を経験してきたおかげなのか、この極限状態の中でも冷静に作戦を立て、実行に移しました。
「この国」に来たのは生まれて初めてで、当然、サッカー界にコネなんて全くありません。それどころか、頼りになる知り合いさえいないのです。だから、チャンスを探すのから宿泊先、交通手段の手配まで、全て自分1人でやるしかないのです。
自力で「この国」のプロサッカーチームの連絡先を調べ、自力で作った手紙と履歴書を送り、どうにかこうにか1チームだけ「練習参加OK」の連絡が届きました。
それからは自力でバス会社に電話しバスチケット入手…。「地球の歩き方」で調べて、自力で宿泊先を手配…。バス停までは、偶然、道端で知り合った人に車で連れて行ってもらうという、一か八かの大バクチ!!(下手したらヤバイ場所に連れて行かれて大変なことになるのですが、これ以外にこのへんぴな場所を抜け出す方法はありませんでした)
こうして、何とかかんとか、命からがら「北斗の拳」&「終戦直後の日本」状態の最強危険エリアからの脱出に成功しました。ふ~…(一安心)。
※無事、最強危険エリアを脱出し、ホテルでホッと一息…。
今は連絡をくれたプロチームに合流し、毎日、練習を重ねる日々です。プロチームでサッカーするのも、およそ「1年ぶり」…。しかし、ブランクを感じないほどプレーは好調で、良い感触を掴んでいます。…ただ、ビザの滞在期間のリミットが迫っているので、もうすぐ「この国」を離れないといけません(しかも「この国」のプロサッカーリーグは、あと2、3試合でシーズンオフです)。
※プロチームの選手達と…。
※プロチームのボーリング大会&食事会にも招待されました。選手やチームマネージャーと…。
※プロチームのGKコーチ、GKたちと…。
このプロチームに合流してから、やっと『成功』できる「流れ」にノッた感じがします。もし、あのままエージェントの居た最強危険エリアに留まっていたら、大変なことになっていたでしょう。
今回は治安が悪い場所だったこともあり、早急に「離れる」決断を下しましたが、例えあそこが安全な場所だったとしても、僕は同じ決断を下したと思います。なぜなら前述したように、このエージェントが自分に「プラス」をもたらす人物だとは、到底、思えなかったからです。
今、居る環境が自分に「プラス」をもたらすのか?あるいは「マイナス」をもたらすのか?そこを見抜けるかどうか…そして、それを見抜いてから、いかに早く「次の行動」を起こせるか…。これが『成功』するか「失敗」するかの大きなターニングポイントになると僕は考えます。
今、居る環境が自分に「マイナス」をもたらすと感じていても、「他にチャンスは無いから」と、嫌々ながらもその環境にすがり付くケースもよくあります。僕も最近まではそうでした。だからアメリカ時代、「アメリカが合わない」と分かっていても、なかなか離れられなかったのです。
しかし実は、「他にチャンスは無いから」と、自分に合わない環境に嫌々ながらもすがり付くからこそ、他にある「無限のチャンス」を逃すことになるのです。
今回のケースを見ても、「エージェントが自分に合わないし、治安がメチャクチャ悪い場所だから、もう見切りをつけて離れよう!!」と決心し、行動した直後、「この国」にやって来てからは初めてとなる、「プロチームでの練習参加」というチャンスをゲットできました。もしあのまま「他にチャンスは無いから、嫌々でも我慢してこのエージェントに頼るしかないんだ」とあそこに留まっていたら、一生経ってもプロチームからチャンスは到来しなかったことでしょう…。
ここでちょっと、最近の状況を簡単に振り返ってみます。
「オーストリアで怪我して半年間、ランニングさえできない状況」
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「今年に入ってどうにか怪我が治り、ランニングだけはできる状態に回復」
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「何とか『この国』に上陸も、チャンスが得られず1人で街をランニングする毎日(約1ヶ月間)」
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「エージェントと知り合い、アマチュアチームでサッカーの練習開始。まともにボールに触るのは、実に約1年ぶり!!」
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「最初は、アマチュアのレベルでさえ、体が思うように動かない最悪のコンディション」
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「コンディションが回復し、もはやアマチュアレベルでは練習にならない状況」
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「エージェントと徐々に噛み合わなくなる」
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「最強危険エリアに引越しさせられ、命の危険にさらされる(引退も覚悟)」 ※絶体絶命のピンチ!!
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「エージェントに見切りをつけ、ここを離れることを決断!!(エージェントの下に来て1ヶ月と2週間経過)」
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「これまでの28年間の経験と知識を振り絞り、プロチームで練習させてもらう作戦を練りに練って、実行」
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「ついにプロチームから連絡が届き、練習参加にこぎつける!!プロチームで練習するのは、およそ1年ぶり!!」
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「1年ぶりのプロチームでの練習も、ブランクを感じさせないプレー。今後の活動の見通しが立ち、自信も上昇!!」
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「プロチームに合流したおかげで、思いもよらない有力な人脈が一気に広がる!!」
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「やっとプロチームに合流も、ビザの滞在期間が切れるので、『この国』を離れないといけない。しかも『この国』のプロサッカーリーグは、これから3ヶ月間の長期OFF…。しかし、最後の最後、土壇場で人脈が広がったことにより、次シーズンに契約できる可能性は高まった!!」
↓
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コネも何も無い…。知り合いや友達さえもいなかった…。しかも「世界最強に治安が悪い」と評判の「この国」…。
そんな状況で単身、乗り込み、どうにかこうにか、ここまで辿り着きました。まだまだ何も成し遂げていないし、ゴールはまだ僕の視界には入ってきてません。しかし僕は、あえてそんな状況でも「確かなる前進」と捉えています。
正直、言うと、最強危険エリアに移動させられてからの数日間は、命の危険にさらされるなど本当に地獄のような毎日だったので、「こんな思いをしてまでサッカーを続ける意味はあるのか?もうサッカー辞めるべきか?」…真剣に考えました。
しかし、いつも自分がやってきたのは、「サッカー辞める覚悟があれば、何だってできる!!どうせ辞めるなら、最後にもう1つだけ行動してみよう!!」と逆に開き直り、やれる限りのことを、もう1回だけやってみることです。すると不思議なもので、ひょこっとどこからかチャンスがやってくるもんなんですね~…。
「後悔しないために、やれる限りのことはやっておいた方が良い」
…僕の嫌いな言葉です。
この言葉は、「実現できない」ことを前提としています。「実現できない」と最初から考えているものに対して、120%の力を注げますか?
人間というのは「絶対、実現できる」と信じているからこそ、120%の力を注げるのだと思います。そして、120%の力を注がなければ、必ず後悔することになります。つまり、やるからには『成功』を信じてやるしかないのです。信じないなら、最初からやらない方が良い…。僕は今までの人生の中で、後悔したことは、ただの1度もありません。
しかし、「信じる」と駄目だった時のショックも倍増します。僕も数え切れないほど、泣きたくなるような悔しい経験をしてきました。だから大抵の人は、何かと理由をつけてやらないんだと思います。それも人生における1つの方法論なので、僕は尊重します。
…ただ、それでも僕はあえて、これからも「絶対、実現できる」と信じて、120%の力を注いで活動していきます。
僕は、「後悔しないため」に活動しているのではありません。「成功するため」に活動しているのです。そして、「家族」や「故郷」に恩返しするために活動しているのです。
これからも、『成功』を信じ、『成功』することを前提として活動し、前に進んでいきます。
※連絡先メールアドレス☟☟☟
cafehondurasyoji@hotmail.co.jp
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おおお?は!まじで、いやはや、ふむふむ、ちょっとシャレにならな・・・、おお、おおおおお
久しぶりの更新で、なんだかものすごい波乱万丈!
しかも「Yoji流」健在!
これだけサッカーに命をかけた日本人がいただろうか。
あごちさん。コメントありがとうございます。「Yoji流」って何でしょうか?(笑)実は、命を懸けたくて懸けてるわけじゃないんですが…(笑)。本当なら、安全にサッカーできるのが一番、良いんです。しかし、自分の『夢』を叶えるためには、どうしても危険を避けて通れない時がありまして…。まだまだ、何も成し遂げていません。1日も早く「良い報告」ができるよう、これからはなるべく「安全」に前に進んでいきます!!ありがとうございました。
想像できない世界ですね。治安の悪ささえ除けば、その国の人達の人柄はどのようですか?
僕はブラジルかなァと思っているんですが。Yoji さんのブログで、単身、海外でサッカーをするということの困難さ
を改めて認識させられます。単にサッカーをするだけじゃなく、サッカー以外に色んなものが付いていると
いう感が致します。それでも Yoji さんは常に行動的でアグレッシブですね。GKとしての Yoji さんのプレースタイル
もかなり果敢に前へ出るタイプの選手でしょうか?GKとしての Yoji さんについても知りたいです。
geocareさん。
コメントありがとうございます。「治安の悪さ」を除けば、この国の人々の人柄は本当に良いですよ。フレンドリーで、魅力的な人達です。治安さえ改善されれば、もっともっと魅力的な国になるのは間違いありません。
「海外でサッカーする」のも、いろいろな形があり、例えば、あらかじめ日本のサッカー関係の会社と海外チームが契約を結んだ留学や、その他、受け入れシステムの場合、単身でも大丈夫だと思います。ただ自分の場合は、全く知り合いも何も無い状態で、自分1人でチームと直接、コンタクトを取って行動してますので、その分、想像だにしない事態が多発します。普通はこんなこと無いと思います。
「GKとしてのYojiさんのプレースタイル」…ん~…(笑)。自分のこの性格は、正直、GKには向いてないと思うこともよくあります。GKは完全に「受身」のポジションで、自分から何かを仕掛けるのが持ち味の自分には、合わない面があるのかもしれません。ただ、今さらもう、ポジションは変えられません(笑)。以前はよく前に出てましたが、最近はそんなに前に出なくなりました。少し大人になったのかもしれません(笑)。
コメントありがとうございました。
YOJIさん・・・・・だ・・・・・だいじょうぶですかぁ~~~~~????
って、だいじょうぶだったからブログ更新されているんでしょうが・・・・・
久しぶりに遊びに来たら、びっくりしましたよ!びっくり!
ちょっと寿命が縮まるような出来事に遭遇してしまったのですねぇ~~~~~!
でも、良かった!生きてて!
しずショウさん。
コメントありがとうございます。大変、お久しぶりです。お元気ですか?まだ中国にいらっしゃるんでしょうか?
何とか今は大丈夫です(笑)。ただ、あのままあそこに居たら、本当にヤバかったでしょう…。とんでもない経験でしたが、おかげで、また1つ人間として成長させてもらいました。やはり、「安全・快適」に過ごせるというのが、何よりも「幸せ」だということに、改めて気付かされました。
しずショウさんも「安全・快適」に、元気で楽しく、更なるご活躍をされるよう、異国の地よりお祈りいたしております。
コメントありがとうございました。