昨日、レンカは練習試合を行いました。
1週間前の「今」…。
レンカは新監督になって、最初の対外戦(練習試合)を行いました。その練習試合に関しては、前々回の記事「『変えるべきか?』『変えないべきか?』…どうするYoji!?」でも書きましたが、今回また、より詳しく、1週間前の練習試合について書きたいと思います。
突然、マチャドが解任され、「選手も8人、解雇になるらしい。」という情報が、レンカの中を飛び交っていました。みんな崖っぷちですが、試合に出場していない僕は、もっと崖っぷちです。そういう「極限状態」の中で迎えた、1週間前の練習試合でした。ましてや、新監督就任以来、初めての対外戦ということで、新監督に良い印象を与えなくてはならない、本当に重要な試合だったのです。
試合前のミーティングで、僕は「第2GK」に指名され、「後半の頭。」からの出場を告げられました。「第2GK」に指名されたのは、マチャドの時には、ほとんど無かったことです(書類問題が最近まであったので、仕方ない面もあるのですが…)。もちろん、第2GKでは満足できませんが、与えられた役割の中で、最大限のアピールをする以外、生き残る道はありません。
この試合会場には、時計はもちろん、得点経過を表示する掲示板すらありませんでした。あるのは、ピッチと、ゴールのみ(笑)。僕は「後半の頭。」からの出場を告げられていたのですが、「ハーフタイム前から、体を温めておきたい。」と思い、前半の途中から、「自主的」にアップを開始しました。アップに集中していたので、詳しい試合経過、時間の流れは分かりませんでした。……そこでやってきた、前半終了間際の、突然の「出場」。ホンジュラスには、僕ほど入念にアップをする選手は、ほとんどいません。ましてやレンカには、そういう選手は皆無です。だからこそ、新監督は僕のそういう姿勢を見ていて、あえて予定を変更し、「前半終了間際。」からの出場を告げたと思います。
僕は「後半の頭。」からの出場予定でした。試合前の発表と違う起用法だったので、正直、ビックリしましたが、「プロなら、与えられた情況の中で、結果を出さなくてはならない。」と考え、あえて、そのことに関しては監督に問いただしませんでした。ただ、試合に出場する者として、試合の状況、時間の流れ…という最低限の「情報収集」はしておかなければならない…と考え、得点経過を他の選手に確認し、試合時間を、監督に聞きました。…で、前々回の記事にも書いたように、この「試合時間を聞いたこと。」が監督の怒りを若干、買ってしまう…という状況になったんです。…しかし、監督が「いけない。」と言うのなら、僕はそれに従いますし、何より僕は監督を尊重しています。
…で、試合の方は、自分のミスではないとは言え、1失点してしまいました。自分のプレー内容自体は悪くはなかったのですが、その後の公式戦メンバーからは、外されてしまいました。しかし、これも監督の決断です。僕はそれを尊重します。
……こうして迎えた、「1週間後の『今』。」……。
昨日の練習試合。
僕はまたしても「第2GK」に指名されました。そして今回は、1週間前とは違い、試合前のミーティングで監督が「3人のGKが、90分間の中で、30分ずつ出場する。」と明言していたので、自分が出場の際、「試合時間を聞く。」という状況にならなくて済みました。1週間前、この「試合時間」のことに関して、新監督とはいろいろ話をし、僕は僕の考えの「試合時間を把握することは、重要。」という主張を一応、新監督にはしておいたのですが、まあ、だからというわけではないでしょうが、今回はちゃんと、試合時間を、監督の方から伝えてくれたので、良かったです。ただ、もし「試合時間」を告げられていなくても、それならそれで、やる覚悟は持っていました。
…今回も1週間前と同様、監督に指示される前から、「自主的」にアップを開始しました。しかし、困るのが、誰も僕のアップを手伝ってくれないことです(笑)。新監督になってから、再び「GKコーチ」に戻されてしまった人物に、アップの手伝いを頼むも、断られてしまいます。ならばと、他のGKに頼むも、これも断られてしまいます。そんな~…。そこで、何とかフィールド・プレーヤーの内、1人をつかまえ、シュートを打ってもらい、アップの手伝いをしてもらうことになりました。
…しかし、僕がアップをしていると、「まだ出場までたっぷり時間があるのに、何で今からアップしてるの??」「何のためのアップだよ??」と、ベンチに居るレンカの選手たちから、バカにされます。…まあ、仕方がないです。これまでも書いたように、レンカはまだ、本当の意味での「レベルの高い集団。」ではないのですから…。
…周りの声にも負けず(笑)、どうにかアップを全う…。そして、予定通り「前半30分」、監督から「出場」を告げられます。
1週間前の「今」……僕は1失点してしまいました。その失点に関しては、監督は、GKの責任ではなく「DFのミス。」と言いました。しかし、失点する時には、つねにGKが当事者として、そこには存在します。
「今日は、何が何でも、無失点に抑える。」
いつも、この気持ちはもってますが、今日は特に、無失点に抑えたかった…。
そして……。
見事、無失点に抑え、自分の役割を全うしました!!!
実は、2度ほど決定的なピンチを招いたのですが、僕がこれをファインセーブで阻止しました。運もあったと思います。しかし、「無失点」という「結果」を出せたことは、自分にとっても、チームにとっても大きかったです。
「30分間出場」、そして「無失点」という自分の役割を終え、監督から「交代」が告げられます。
その時………。
ピッチ内で一緒に闘ったレンカのチームメイトたちが、途中交代してピッチを去る僕に対して「拍手」をしてくれたんです。その中には、僕がアップをしている時、バカにしたり、茶化したりしていた選手もいました。
これは嬉しかったです。何よりも、「レベルの高い集団。」とは言えない面のあるレンカの選手たちが、ピッチの中で、味方に敬意を持ち、1つになっていたことが嬉しかったです。僕がアップをしている時にバカにしたり、茶化したりしていた選手たちにも、少しは自分の「姿勢」が、伝わったのかな??…と思いました。
そして、途中交代してベンチに戻った時、監督、コーチとガッチリ握手を交わしました。この時、やっと肩の荷が下りた…というか、ホッとし、そして、「充実感」と、「達成感」を感じました。
1週間後の「今」……。
確かなる「変化」が見られました。「成長」も感じました。つねに「変化」の無い、「成長」の無い人生なんて、空し過ぎます。「結果」よりも、この「変化」と「成長」が重要なんです。僕は未熟ながらも、つねに、何とか自分を「変化させよう。」「成長させよう。」という姿勢で、毎日を過ごしてきました。その「成果」は、わずかながらにですが、少しずつ出てきてます。そして、この「わずかながらの積み重ね。」が大きな目標達成につながることを、僕は、「プロ」という「夢」を実現させたことで、学んでいます。
確かに、たかが「練習試合」かもしれません。しかし選手はみんな、練習試合とは言え「プレーが悪ければ、いつクビになるか分からない。」という極限状態の中で闘っています。そして、その「プロの厳しさ。」というのを、選手はみんな、2週間前の「マチャド解任」という出来事を見て、再認識しているのです。ホンジュラス・サッカー界の英雄的存在マチャドでも、昨季、圧倒的強さで優勝を成し遂げたマチャドでも、ある日、突然、「クビ」になる…。
そんな毎日だからこそ、僕は、「結果」よりも、「変化」と「成長」を重要視して生きていきます。「変化」と「成長」があれば、「結果」は自ずとついてくる…という発想です。
1週間後の「今」……。僕は確かなる「変化」と「成長」を感じました。だからと言って、今週末のリーグ戦のメンバーに選ばれるかどうかは、分かりません。確率的には、低いでしょう。けど、僕はこれからも、自分の「信念」に従い、「変化」と「成長」を続けていくだけです。
何だか真面目なことを書きましたが、それとは裏腹に、結構、毎日を楽しんで生きちゃってる自分もいます(笑)。やりたいことを、やれているのだから、深く考えず、楽しんでやれば良いんです!!
今日の晩ご飯は、何じゃろう~~~♪♪ (←しかも、「タダ」。)
ちゃんちゃん。
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試合お疲れ様でした。状況わかっていないのに、前回のようなコメントすいません。
Yojiさんの主張と態度で監督さんも反省というか、考えられたなという感があります。
衝突して分かり合うという過程を踏んだと思います。
みんなから拍手をもらえたことで、さらに皆さんを巻き込めていけたらよいですね。
周りを本当に巻き込むことは簡単なようで、難しいと思いますが…。
Asiandreamさん。人それぞれ、いろんな考え方があるし、いろんな職業があるし、いろんな「夢」があるし、いろんな「目標」があります。本当、いろいろです。1つの文章を書いても、これまた、いろんな感じ方、捉え方をする人がいます。時には、自分が伝えたいことと全く違った捉え方をする人もいますし、逆に「ここまで理解してくれるのか。」と思うほど、よく分かってくれる人もいます。とにかく、本当にいろいろです。そういう中で、こちらに送られてくるコメントに関しては、「『いろいろ』な中の1つ。」として、僕は尊重し、ありがたく頂戴いたします。