交渉術。


  よく「日本人は、交渉力が無い。」と言われます。対外交渉で、いつも劣勢を強いられてるような気がします。
 僕は今、ホンジュラスに居て、日本人は周りにいないし、誰の力も借りる事ができず、自分で、様々な『交渉』を行っていかなくてはなりません。しかも、ホンジュラス人相手に、スペイン語で、です。
 日本にいた時は学生でしたから、まあ、大した『交渉』の場面は無かったですが、それでも交渉をする時は、「とにかく、気持ちを素直にぶつければ、相手にも、必ず、通じる。」…というのが、自分のモットーでした。それで、通じない者には、仕方ない、見切りをつける…といった感じで。
 しかし、そもそも日本人相手の交渉であれば、日本人は、基本的な常識をわきまえてるし、人間もしっかりしてますから、理解を得るのに、そう多くの時間は要さないでしょうが、「対外交渉」になると、そういうわけにもいかないようです。
 ニュースなどで見ても分かるように、他の国々は、本当にありえないような、屁理屈(←日本人から見ればの話ですが)を、あたかもそれは「正しい」かのように、堂々と、主張してきます。屁理屈を、堂々と主張ですよ…。
 「クジラの捕獲問題」についても、日本はありとあらゆるデータをもとに、正当性をきっちり主張してるにも関わらず、反対国たちは、きちんとしたデータもなく『屁理屈』を堂々と、主張してきます。
 「日本人が交渉力が無い」…というより、他の国々には、モラルも、正当性も何も無い、不条理だらけな事が多い。けど、日本は、そういう国々に対して、怒れない……しかし、今なら、その「怒れない」気持ちも、何となく分かります。
 Yojiの書類作業が、全く進みません。大体、大まかに分けて、3つの書類作業があります。「滞在期間延長手続き」「国際移籍証明書」「就労ビザ発行手続き」…この3つです。
 まず、「滞在期間延長手続き」について…。僕は、ホンジュラスには「旅行者」として入国しました。ビザ無しです。ビザ無しだと、3ヶ月滞在できるのですが、一度、グアテマラに出て滞在期間の延長を行ったのにも関わらず、約2ヶ月前、その期限も過ぎてしまいました。その件に関して「罰金」を払うはめになったのですが、そもそも、これに関して、僕に「非」は無いんです。
 チームと契約した時点では、僕の滞在期間は、まだ過ぎてませんでした。それでも、僕は心配だったから、チームの監督やコーチ、関係者に、しきりに「滞在期間はもうすぐ過ぎてしまうから、この書類作業を、一刻も早く行ってくれ。」と言い続けてきました。そのたびに、チームは「大丈夫。内のコーチは弁護士もやってるし、彼に任せれば、全てうまくいく。心配ない。」と言いました。しかし、その書類作業を行うのがあまりにも遅く、案の定、滞在期間を過ぎて、「罰金」を払うはめになってしまいました。僕はこの罰金に対して、当初は「なぜ、俺が払わないといけないのか?俺に非は無い。チームは大丈夫だと言ってたじゃないか。それに、契約時点では、まだ滞在期間は過ぎてなかった。俺は罰金を払わない。」と、完全拒否しました。これに対して、チームは「知り合いの弁護士に相談して、本当はもっとお金がかかってるところを、(罰金を)安く抑えてもらってるんだ。」と言ってきます。以前の記事にも書いたように、チームが真剣に僕の書類作業に取り組んでくれてるのは分かっていたので、その感謝の意味も込めて、この「罰金」は自分が払う事に決めました。
 …で、それから1ヶ月間も待って、昨日、ようやく「その手続きが終わった。」って事で、弁護士からパスポートを受け取りました。しかし、そのパスポートの中身を見て、僕は愕然としました。滞在期間が過ぎる前と、何も変わってなかったんです。普通、罰金を払えば、「お金を受け取りました。だから、これからまた3ヶ月間は滞在できますよ。」といった内容の証明書類がパスポートに貼られるのですが、それすら無い。何も無い。おいおい。払ったお金と、待った時間は、一体何だったのか??「怒り」が湧いてきました。
 次に「国際移籍証明書」についてです。チーム関係者曰く、「その書類はすでにアメリカのサッカー協会から、ホンジュラスサッカー協会に届いた。」との事です。しかし、その書類を、ホンジュラスサッカー協会が、こちらに発行するのを渋っている。これに関しては、以前の記事にも書いたように、首都のサッカー協会に行き、いろいろ話をして、その書類の発行に必要な書類は、日本から届くのに「2,3ヶ月かかる。」と言われたから、手続きが終わらないのも、まだ分かります。しかし、僕は、チームの指示で、「国際移籍証明書」にかかる費用を、すでに払ってるんです(これも、本来ならチームが払うべきものだが、「2部リーグは、選手が払ってくれ。」と言われ、僕が払った)。それで、これだけ待たされて、まだ何も進展無し…では、「どうなってるんだ??」と思うのも当然です。しかも、リーグ戦はもう半分以上を消化し、あと2ヶ月もすれば、シーズンは終わってしまうんです。
 最後に「就労ビザ発行手続き」について。これに関しては、チームには「別にやらなくても大丈夫だろう。」的な空気すら漂ってます。どうにも、なりません。
 僕のモットーは『笑顔』です。これまでも、『笑顔』で、いろいろな人と知り合い、チャンスをつかみ、良い結果を出してきました。
 しかし、『交渉』の場面では、『笑顔』が必要な場面と、そうじゃない場面があります。基本的に、僕とチーム関係者は、良い関係を築いてきたから、「怒る」なんて事はしたくない。それに、アメリカ時代、怒りはしなかったけど、チームが給料を払わない事に関して、「ちゃんと払ってくれ。」と主張したら、ぶちキレられて、何もかもが消滅した経験もある(このチームに関しては、あまりにも不条理だから、離れた)。
 第三者から見れば、「ちゃんと、白黒はっきりつけるように、厳しく言ったらいいんだ。」と思うかもしれませんが、『交渉』というのは、そういうものでもない。そんな、単純なものではないんです。だから、難しい。『交渉』というのは、ただその場だけの話し合いではなく、それまで築いた関係や、信頼感など、全ての要素を考え、慎重に行わなければならないものです(僕も昔は何でもかんでも感情的になって意見を主張してきたが、いろんな経験を積んで、こういう考え方に変わった)。
 『交渉』というのは、そういう特別な作業であり、だからこそ、交渉のスペシャリスト、スポーツの世界では「代理人」というのが存在するんです。ホンジュラスに来てからは、日本語で交渉できないし、たくさん書類作業はでてくるわ…で、本当「代理人がいれば…。」と何度も思いました。僕は、サッカー選手としての『プロ』であって、交渉の『プロ』ではないですからね。
 それでも、今回の件に関しては、チームにちゃんと意見の主張をしますよ。チームは、出場資格が無い僕に対しても、ちゃんと給料を払ってくれていて、それは他チームでは考えられない事でもあり、このチームの良さを物語ってる事実でもあります。だから、ちゃんと話せば分かってくれると信じてます。
 サッカーだけに集中したいのに、こういう問題まで出てくる…。本当、早く、スッキリしたい。
 けど、海外で、今はスペイン語で、これだけの交渉や、やり取りができるようになったんだから、自分は成長してるのかな?この経験を経て、また1つ成長できそうです。そう考えれば、良い機会です。
 それにしても、「交渉のプロ」に、『交渉術』というのを、聞いてみたいものです(笑)。
 以上です!!!
 ※チームとの契約の席にて。会長と。
Lencaと初契約!夢実現!2005年12月30日!②

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2件のコメント

  1. 私もこの書類関係で会社ともめにもめました。
    「いい経験になったでしょう」…って、警察で調書とられることが??
    私の立場にたって考えろ!!とさすがにキレました。
    でも頭は冷静に、よい方向へ進むことを祈っております。

  2. 私の成績が、大学の成績管理所に誤って全て削除されたことがありました。バックアップもない。え?なんで?と思うと同時に怒りがこみ上げてきましたが、グッとこらえて成績管理所へ。「あのう、ここの責任者の方に今後どうなるのか、またどうすればいいのか伺いたいのですが」しばらくして責任者登場。「うちは留学生の成績の管理に責任は無いよ。ほかあたってくれ」は?じゃあ今まで何で俺の成績を管理してたの?ほかの留学生のも管理してるやん?「うちではたまたま留学生の成績を管理してるだけで、責任は無いから」私は穏便な性格ですが、このときは責任者の態度にあまりにも腹がたってぶちぎれました。でも結局、そこではどうにもなりませんでした。海外では日本人の感覚からするとおかしなことがたくさんあると思います。私自身、普段は特に何もなく生活してますが、たまにストレスを感じることもあります。自分が当たり前だと思って主張していることが通らないとき、あぁここではこういう文化とか習慣があるのかな、と思ってましたが、交渉の仕方が間違ってたのかもしれません。その国にはその国の交渉のやり方がある。たしかにそうですよね。当たり前のようであまり気が付いてませんでした。

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